日本の伝統ともいえる「畳」。いまでこそ、フローリングの住宅は増えたものの国内外問わず、和風スタイルといえば畳は必須の床材である。
しかし、インテリアスタイルが「和風」に縛られることで、欧米系のインテリアを好む人からすると、つい避けてしまいがちなのが現状だ。
欧米系のインテリアデザインが多様化する中、改めて畳の良さを発見できれば、「和風」を活用した多様性あるインテリアを楽しめるようになるのではないか。今回は、その基本中の基本として、畳が持っている機能面でのメリットをご紹介しよう。
畳の香りにはリラックス効果
出典:gallery.photo.net 畳には香りがあることを、多くの人が当たり前のように知っているだろう。この香りに秘密があった。畳の原料である藺草の香り成分には、気持ちを落ち着かせる効果があるのだそう。
例えば、張り替えたての畳の上に寝転がった時や、日本の伝統建築を訪れたときに感じる「心が落ち着く」感覚は、まさに藺草が発する香りの効果だったのだ。
蒸し暑い時期に活躍する、畳の吸湿性
出典:japan365.files.wordpress.com 実は、畳は湿度の高い日本において、非常に重要な役割を果たしていた。それは、畳の持つ吸湿性である。畳は乾燥した藺草を縫いこんで作るため、コーティングされた床などに比べ、湿気を多く吸収する。
そして、放湿性も兼ね備えているため、部屋の換気さえ行っていれば畳に湿気が溜まることもないのだそう。もちろん、長く使った畳は劣化と共に機能が衰えてしまうため、定期的に張り替える必要がある。
カーペットを敷かなくとも、身体への負担が少ない
出典:a0.muscache.com 畳には弾力がある。日本の伝統競技である柔道を行う場所が畳であるように、衝撃を吸収する効果を持っている。(ちなみに、現在は畳型のマットが使われている)そのため、フローリングなどに比べて圧倒的に身体に優しい。
フローリングの部屋であれば、カーペットやラグが必須であるが、畳の部屋では何もいらない。そして、床に布団を敷いて寝る場合も、畳の部屋なら分厚いマットレスが無くて大丈夫。畳は、床の上で暮らすことを考えぬかれて作られている繊細な床材なのだ。
日本文化や建築の象徴ともいえる「畳」。フローリング生活に慣れた我々にとって、驚くべき機能を持っていた。インテリアの調子を合わせるためだけに畳を懸念するのではなく、畳を取り入れ、応用したインテリアスタイルを考えてみるのも悪くないはずだ。
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