HOMECareer Runners 急成長中の「Wantedly」人事に学ぶ、3年後も同じ仕事にコミットできるキャリア形成のすすめ

急成長中の「Wantedly」人事に学ぶ、3年後も同じ仕事にコミットできるキャリア形成のすすめ

U-NOTE編集部

2015/03/31(最終更新日:2015/03/31)


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 平成26年11月の厚生労働省の調査によると、大学卒業後の3年以内離職率が32.4%と、「入社3年以内の離職率」が非常に高くなっている。そこで、16年度卒学生の就職活動解禁のこの時期に、3年後も辞めないキャリア形成について、今話題のダニエル・ピンク「モチベーション3.0」を元に、Wantedly萩原さん(COO/CFO)と、大谷さん(人事部長)、山本さん(人事)に話を伺ってきた。

ーー 3年以内の離職率が増加しているとの統計が出ていますが、3年で離職しないためにはどんな会社選びをすれば良いのでしょうか? 

萩原:まず、仕事の内容や業界によって3年間の捉え方が異なるため、必ずしも3年で辞めることが良くないとは思いません。ただ問題視すべきなのは、働くモチベーションがない会社に勤めてしまい、その結果短期でやめてしまうことだと思います。働くモチベーションは人それぞれですが、個人的には、お金ではなく「仕事そのもの」に対して面白さや自己成長を感じる会社を選ぶほうが、モチベーションが継続すると思います。

 ダニエル・ピンクの著書「モチベーション3.0」では、単純作業の場合はお金をインセンティブにすると生産性は上がりますが、知的創造に連なる仕事はお金を多くもらっても生産性に寄与せず、むしろ下がるというデータが載せられています。テクノロジーの進化により、日々の仕事の中で発生している単純作業は、少しずつ外部サービス化や機械化が進んで来ており、人間が担当してきた領域が小さくなってきています。

 今後、人間が担当していく仕事は、再現性が低く問題が複数の領域にまたがって、定式化しにくいものになっていくと思います。そうした仕事に取り組むときは、モチベーション3.0に書かれている、自分の内面的から持続的に湧き出てくる「何かを学びたい、創造したい」という「やる気」が重要だと考えています。

ーー やりがいのある仕事をするために、会社のどの部分をみて判断すれば良いですか?

大谷:一番確度が高いのは、社内の雰囲気や人、仕事内容をできればインターンなどで内部に入ってみることです。どの会社も「海外に力を入れている」「CSRも重視していて事業も社会のためになることをやっている」と学生に魅力を感じてもらえることをアピールしています。

 ただ、会社に入ってみると海外の事業に関わっている人の比率が非常に限定されていて、今後も増える見込みもなかったり、入社前に聞いていたこととは違うことをやらざるを得なかったりします。ただ、インターンとして内部の様子を見る機会がない場合は、働いている人から話を聞くこと、写真や動画などで職場を見てみることなどで分かることがあります。また、やりたいことをやっている部署があるという場合は、従事している人がどれくらいいるのかを聞くと入社時にやれる確率の見当がつくと思います。

ーー 人事のおふたりは、Wantedlyのどの部分を見て入社を決めましたか? 

大谷:私自身がサービス開始時から顧客として使っていて理念に共感していたことと、対面としてサービスを作っているチームが優秀で、一緒にそのような世界を作りたいと思ったからです。 

山本:Wantedlyのビジョンに強く共感し、このビジョンのためなら仕事をやりきれると思えたからです。また、将来なりたい姿である「30歳までにビジネスにおける目標の明確化」を目指すことと、その時に選択肢が多い状態になるために、スタートアップで枠にとらわれず様々な仕事にチャレンジできる環境に身を置きたかったからです。

ーー インターンをして経験を積むことは、どんなメリットがありますか? 

大谷:大きく2つの良い点があり、ひとつは企業の実務を知ることが出来ること、もうひとつは自分の向き不向きを知れることです。企業の実務を見れることで、募集要項だけでは分からない社内の雰囲気や仕事内容、仕事の進め方、中で働くメンバーが何を考えて働いているかを見ることができます。

 また、自分が好きな職種や会社だったとしても、自分がそれに向いたスキルや性質があり、評価されるかどうかはわかりません。自分に合う会社を知ることも大事ですが、「自分が合わない会社を知ること」も同じくらい大事です。ちなみに、新卒で入社した会社と合わなくて退職した場合は履歴書に職歴を書かないといけませんが、インターンで合わなくて辞めた場合は履歴書に書く必要はありません。大学時代は、自分の向き不向きを見つける良いチャンスだと考え、どんどん挑戦してみてほしいと思います。

ーー Wantedlyのインターンは、どのように行っているのですか?

山本:インターンでは、仮想環境ではなく本番環境でユーザーの役に立つものを実装して、さらに全員の前で発表までしてもらっています。その過程と実現する成果にワクワクできる人だと、Wantedlyに合っていると思います。

 さらに、新卒の採用は、会社のことがよくわかった上で入社してもらいたいと考えているので、インターンを必ず経験してもらった上で内定を出しています。2014年はエンジニア、総合職で各1名ずつ、2015年はエンジニア3名、総合職1名に内定を出しました。

ーー 先日リリースしたアプリ「Wantedlyインターン」は、どのような特徴がありますか?

山本:Wantedlyのアプリの機能に加え、どんな会社でどんな人と働きたいのかを知ってもらうために、インターンシップを通して企業と会える体験の強化と、実際Wantedlyを体験した人へのインタビューの機能の追加を行いました。2015年2月現在、約10万人の学生ユーザがWantedlyを使っていて、たくさんの仲間がココロオドル「インターン」を見つけています。



ーー 就活中の学生に向けたメッセージをお願いします。

大谷:働き始めるとじっくり考える時間を取れないことが多いので、就活の時期は自分の目指す方向性や働くことについて考える良い時期です。

 就活前にインターンをやってみることを推奨していますが、就職活動自体も会社のことを中の人が話してくれる機会はあまりないので、最初は企業規模や業種を絞り込むのではなく幅広く見て、合う会社と合わない会社の両方を知ってみることをお勧めします。

萩原:自分は就活のとき、人の繋がりや偶然の出会いによって働く場所を決めました。結婚や就職などの大きな決断は直感的に、目的地までの行き方や今日食べるものなどの小さな決断は論理的にするのがお勧めです。

 直感とは、自分が生きてきた中で培われた色々な判断をベースにしたアウトプットで、頭でっかちで考えても出てこず、体験して感じることではじめて出てくるものです。なので、仕事を決めるという大きな決断をするときは、インターンやアルバイトなどでまず仕事を体験してみて自分の直感が出てくるように色々取り組んでみてください。

山本:就活は内定をもらう事がゴールになりがちですが、内定をもらうことより、その先の社会人生活のほうがずっと長く続きますし、自分の人生に大きく関わってきます。

 自分の今までを受け入れ、自分の目指す方向性を知った上で、企業が自分の方向性と合うかどうかを知るために、就活生という身分を大いに活用し、様々な企業で働く社員の方々に会いに行って欲しいです。


【プロフィール】 

◎ 萩原 学さん(はぎわら がく)2008年3月京都大学大学院情報学研究科卒業。同年4月にゴールドマン・サックス証券株式会社投資銀行部門に入社。2011年9月からウォンテッドリー株式会社に入社し、COO/CFOとして開発、ビジネス、ファイナンスなどに従事し、2014年8月からコーポレートチームリーダーとして人事、労務、財務、法務、インフラ部門を担当。

◎ 大谷 昌継さん(おおたに あきつぐ)1997年3月東京大学経済学部経営学科卒業。同年4月にソフトバンク株式会社に入社。2001年にオイシックス株式会社に6番目の社員として入社。物流部長から人材企画室長を経て、2014年8月からウォンテッドリー株式会社コーポレートチーム マネージャーとして人事を担当。

◎山本 あずささん(やまもと あずさ)2014年3月慶応義塾大学法学部政治学科卒業。同年4月に新卒で株式会社リクルート住まいカンパニーへ入社。2015年4月からウォンテッドリー株式会社コーポレートチームにて人事を担当。

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