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「会社で存在価値を見い出せてますか?」――ココナラ南社長が感じた「サンカク」が持つ“働く手触り”

U-NOTE編集部

2015/03/31(最終更新日:2015/03/31)

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「会社で存在価値を見い出せてますか?」――ココナラ南社長が感じた「サンカク」が持つ“働く手触り” 1番目の画像

(写真:今回快く取材に応じてくださったココナラ南社長)

 自分のスキルが社会でどのくらい通用するのか。向上心を持ったビジネスパーソンなら一度は感じたことがあるだろう。自分の価値を知りたい、自身の経験やスキルを社会に役立てたい、人脈を拡げたい、そんな思いを叶えてくれるのが、仕事を辞めずに成長企業のディスカッションに参加できる、リクルートが手がける新サービス「サンカク」だ。 

 前回の記事ではU-NOTEにて実際にサンカクを利用して感じた魅力についてまとめてみたが、2回目の今回(全4記事連載予定)は、サンカクを利用している株式会社ココナラの南社長にお話を伺った。



サンカクにシンパシーを感じたベンチャー社長は、NPO法人「二枚目の名刺」の生みの親

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(ココナラには、様々なスキル・知識がワンコインから出品されている。)

 「働きながら誰かに知識を提供できる場所」という意味では、サンカクと近いコンセプトを持つ「ココナラ」は現在、サンカクでマーケティング分野のディスカッションパートナーを募集している。


 株式会社ココナラの代表取締役である南章行氏は、サンカクを利用しはじめたキッカケを「採用に繋がればいいなと思って始めました。新しいサービスをスタート時から積極利用する人は、ビジネス感度が高いことが多いから」と語る。

 南氏が、サンカクのように既存の枠にとらわれない新しいサービスを積極利用するのには、どうやら彼自身の経歴と経験、そしてビジネス戦略が大きく影響しているようだ。

 南氏は、いわゆるロスジェネ世代。大学3年の時、大手企業が容赦なく倒産や吸収合併され、リストラが一般化していく世の中を見て、「経営を立て直す仕事に就きたい」と思い立ち、大手銀行へ就職した。入社5年目にして安定的によい評価を得ながらも、「自分の一生はずっとこのままなのか」と思い悩み、企業買収ファンドへと転職。イギリスのオックスフォード大学経営大学院(MBA)を修了し、帰国後は学生にリアルなビジネスを体験させるNPO法人「ブラストビート」を立ち上げた。

 「これからの日本は、若者にしんどい時代になると思ったんです。高校生のうちからビジネスを体験させることで、社会を知ってもらう。そして彼らがメンターとなって、後輩たちに受け継ぐ。高校生全体の2割がベンチャーマインドを持てれば、世の中ずいぶんと変わるんじゃないかと思い、NPOを始めました」と南氏。

 企業組織ではなくNPOにしたのには、理由があるという。

 「たとえば、今の日本は大企業で働いていても、どこか自分の存在価値が見い出せない。誰かに自分のスキルを提供したくても、その場所が見つからないと感じている人が多い。仮に見つかっても所属企業の副業禁止規定の縛りもある。その点、副業ではなくNPOでの無償の活動ならやりやすい。思いを同じくする人たちが、それぞれの得意なスキルで貢献していくことでの“働く手触り”、それがNPOにはあるんです。ただ、NPOにはまだ誤解も多く、NPOであるがゆえに参加の壁を高く感じる人が多いことも事実。それならもっと多くの人に“働く手触り”を感じてもらおうと始めたのが、『二枚目の名刺』であり、『ココナラ』なんです。」


 そして“働く手触り”は、サンカクにも共通していると南氏。

 「サラリーマンなど給与をもらって働いていると、自分のスキルをいくらで買ってもらえるかなんて分からないんですよ。

 反対に言うと、お金あげるからスキル提供してって言われても、本当にその金額分のバリューが出せているのか、会社の看板なしでは自信が持ちにくいんです。副業的に何かしてみたくても意外と怖くてできないものかなと思います。サンカクならその心配がないですし、今いる会社で働きながら他の企業が垣間見れたり、うまくいけば自分のスキルを提供したり、新規事業に役立ててもらったりできます。

 言い方が難しいですけど、その“気軽さ”が良いのだと思います。企業が『手伝ってください』といって窓を開けてくれれば、入ってきてくれる人はいるはずです。」

自分にできること、面白いと思うことはどんどんアピールすべき

「会社で存在価値を見い出せてますか?」――ココナラ南社長が感じた「サンカク」が持つ“働く手触り” 3番目の画像

 ではココナラの募集に対しては、どのような人が応募してくるのだろう。

 「弊社はマーケティングのディスカッションパートナーを募集していて、現時点で10名と実際にお会いしました。大手企業の方からまったくの異業種、失礼ながら社名を存じ上げない方まで、様々なビジネスパーソンから連絡がありました。」

 応募者の中から会って話してみたい人は、どんな方なのかも聞いてみた。

 「メッセージをくれる時点で、マーケティングについて何ができるのかハッキリ書いてくれる人、そしてそれが面白そうだと思える人には会うようにしています。大手かどうかは関係ないけど、ベンチャー企業の人は何度も失敗を繰り返して答えを探すということをしてきているので、興味深いです。

 逆にメッセージのなかに“お力になれるか分かりませんが……”なんて書かれると、力になれるか分からないなら会う理由がないと思ってしまいますね。」

 実際には、こんな人たちと会っているという。

・マーケティング部署で働く人で、自社のノウハウをヒントにココナラ向けの企画書を作製してくれた

・元々ココナラのヘビーユーザーで、2年間あたためたココナラ改善案を出してくれた 

・マーケティングの専門家がマーケティングの仕組みを、壁一面のホワイトボードをいっぱい使ってレクチャーしてくれた

 数回会ったディスカッションパートナーは、自社の飲み会に招待することもあるそうだ。最初は採用にも繋がればと、という意図もあったそうだが、

 「サンカクで出会った人たちは、(自社に応募してくれた人は)今すぐの転職は考えていないようなので、優秀だからといって即採用とはいかないな、と思っています。ただ、こうして繋がっておいて、いつか本人や彼らの周りの人との縁に繋がったらいいなと思うようになりました。」

 と、今では長い目で考えている。

 しかしながら、現在はサンカクの本来のサービスコンセプトである「社外の知見を借りる」という面で「マーケティング分野のディスカッションパートナーの募集」がうまくいっているようだ。

ディスカッションパートナーの意見から生まれた新企画が進行中 

 「ディスカッションパートナーの話をもとに生まれた新企画が現在進行中です。また、ディスカッションパートナーから得た有益な情報やアドバイスを他のディスカッションパートナーに聞いてみることで確信を持てたり、よりブラッシュアップできるのも役立っていますね。最後に経営の方向性を決めるのはこちらなのですが、応募していただける方も何かできそうだと思っていただけたら、気軽にサンカクを利用して欲しいと思います。」

 最後に南氏は、今後サンカクしてきて欲しい人を、こう語ってくれた。

 「成長企業やベンチャー企業で数字や部署を任されている人にどんどん来てもらって、マーケティング議論を交わしたいですね。」

 会社で毎日当たり前におこなっているマーケティングや経理、企画業務は、社内でいちいち評価されることはないが、業界の外に出れば有難いスキルになる。今日まで培った自分の得意分野を、「サンカク」を使って成長企業に提供してみてはいかがだろうか。







(取材・文:力武亜矢)

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