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プレゼンの悩みをグロービス流に解決! MBAで教えている「人を動かす」プレゼンの技術

U-NOTE編集部

2015/03/25(最終更新日:2015/03/25)

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プレゼンの悩みをグロービス流に解決! MBAで教えている「人を動かす」プレゼンの技術 1番目の画像
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 プレゼンテーション(以下プレゼン)というと、役員への新規事業提案や展示会やセミナーでの新商品の紹介など、限られた立場の人が行うものという印象があるかもしれない。
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 それが最近は、若手ビジネスパーソンの間でもプレゼンへの関心が増しているようだ。スティーブ・ジョブズのプレゼンやオバマ大統領のスピーチが話題になったり、TEDがテレビ番組になったりと、魅力的なプレゼンに触れる機会が多くなったことも背景にはあるだろう。

 しかしそれ以上に、ビジネスのグローバル化によって旧来の日本的な「以心伝心」が通用しなくなり、自分の考えを明確に「目に見えるかたち」で相手に伝えることが求められるようになってきたことや、ピッチ大会(短時間で自社の事業内容などをプレゼンする場)の増加など、一般のビジネスパーソンにもプレゼン力が求められるようになったことが理由として挙げられるだろう。

 プレゼンは多くの人の前で行うものと思っている人も多いかもしれないが、目的を持ってコミュニケーションを行うすべての場面がプレゼンと言い換えられる。

 例えば、営業の人がテーブルを挟んで数名のお客様に対して自社の商品やサービスを紹介するのもプレゼンのひとつ。もちろん1対1の場合もしかりだ。最近はTV会議システムやSkype越しにプレゼンすることもあるだろう。

 しかし、どうすれば良いプレゼンができるようになるのかが分からず、苦戦している若手ビジネスパーソンも多いのではないだろうか。

 そこで、今回は多くの社会人や企業から高い評価を得ているグロービス経営大学院のMBAプログラムの科目のひとつである『ビジネス・プレゼンテーション』で教えている内容から、私たちが見落としがちなポイントをいくつか紹介したい。

 まずは、そもそも良いプレゼンとはどんなプレゼンなのか、ということから紹介しよう。 



プレゼンの目的は「人を動かすこと」 

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 良いプレゼンとは何か?

 その答えを出すためには、「何のためにプレゼンを行うのか?」を考えてみるといいだろう。

 プレゼンは、例えば新しいプロジェクトを始めることを上司に承認してもらうため、クライアントに商品を導入してもらうため、などといった目的で行われる。

 一言で言えば、プレゼンの目的は「人を動かす」ことなのだ。そして、良いプレゼンとは予め設定した目的通りに聴き手が動くプレゼン、ともいえるだろう。

 それでは、人を動かすプレゼンはどのようにすればできるのだろうか? 

プレゼンは「準備が8割」

 「準備8割、本番2割」という言葉がある。準備の大切さを示す言葉だが、これはプレゼンにも当てはまる。プレゼンというと、緊張しない方法やよどみなく話す方法、アイコンタクトの仕方やスライドの見せ方など、小手先のテクニック向上に目が行きがちだ。

 しかし、プレゼンの準備で時間をかけるべきなのは、それらのトレーニングよりももっと前の段階だ。

 具体的には、次の3つに十分な時間をかけるべきなのだ。

ステップ1:目的を押さえる

 まずすべきことは、プレゼンの目的を押さえること。先ほど述べたプレゼンの目的をより詳細に表すと、「聴き手に内容を理解してもらい、さらに共感してもらい、そしてこちらが望む行動を起こしてもらうこと」だ。

 こちらが望む行動を起こしてもらうために必要なのは、プレゼン前の聴き手はどのような状態にあり、プレゼン後に聴き手がどのような状態になっていれば、こちらが望む行動を起こしてくれるのかを突き詰めて考えることだ。 

ステップ2:聴き手を理解する

 プレゼンテーションの語源は「プレゼント」、すなわち相手のことをよく考えて選んだ贈り物を届けることだと理解すると分かりやすい。

 つまり、相手がどんな人で、プレゼン内容に対して何を知っていて何を知らないのか、どのようなことに関心があるのかなど、相手の状態や心境を具体的に想定する必要があるということだ。

 これらを押さえないと、何を伝えるべきか、どのように伝えると伝わりやすいのかを検討することはできないはず。ここに時間をかけない人が意外と多いが、失敗プレゼンのほとんどはここに原因があるといっていいだろう。 

ステップ3:聴き手の導き方を決める

 ステップ1で触れたプレゼン後の聴き手の状態に導くには、主に以下の2点について考える必要がある。

1:「何を伝えるのか」

 見落としがちなポイントだが、プレゼンの時間は無限にある訳ではない。聴き手の貴重な時間を貰っているという意識が大切だ。

 限られた時間の中で、聴き手を自分の意図する状態に導くためには「何を伝え、何を伝えるべきではないのか」を精査する必要がある。プレゼンの目的が同じであっても、聴き手が異なると、理解度や感心事などは大きく変わってくるので、伝える内容も当然異なってくるはずだ。聴き手に合わせて、伝える内容の取捨選択をしっかり行おう。

2:「どのように伝えるのか」

 上記で考えた「何を伝えるのか」を確実に聴き手に伝え、プレゼンの目的を達成するためには、次に「どのように伝えるのか」を考えなければいけない。聴き手が理解しやすいようにどんな順番でメッセージを伝えていくかが、「ストーリーライン」と呼ばれるもので、このストーリーラインを視覚的に分かりやすくしたものがスライドである。

 プレゼンの準備というと真っ先にスライドの中身から考え始めてしまいがちだが、スライドを作成する前にこれらを押さえておかなければ、人を動かすプレゼンにはならない。自分の話したいことだけを話す自分勝手なプレゼンに陥るだけだ。

聴き手の心理状態に合わせて行動を変える

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 ここまで「良いプレゼンとは何か」と、「準備の重要性」について触れてきたが、ここからは、さらなるステップアップを目指す方向けに、プレゼン中に行うと効果的な「聴き手の状態」を把握するためのテクニックを公開していこう。

聴き手の手元に注目する

 資料を事前に配布しているときは、聴き手の手元に注目。聴き手が、メモを取っていたり、話し手が説明している部分よりも先を見ていたりといったことから、聴き手の理解スピードや集中度が推測できる。

聴き手の表情を観察する

 聴き手が納得し頷いているような場合はそのまま自信を持って進めればよいが、どうも話を理解・納得していないような場合は、工夫が必要である。

 例えば、聴き手が怪訝そうな顔をしているのであれば、「ここまでのところでご不明な点はありますか?」などと尋ね、「私はあなたが話についてきているかどうか、気にしていますよ。」というメッセージを暗に送ることで、聴き手との距離を縮めることができる。 

 また、聴き手の反応がなんとなく薄かったり、手元資料ばかり見ているときは、あえて変化を起こす仕掛けをしてみるとよい。

 具体的な方法としては、

・声のメリハリをつける

・立つ位置を変える(それまで中央に立っていたのを、右端に寄ってみたり、時には聴き手の席の間に入ってみたりする)

・ボディランゲージを変えてみる

 などがある。

 また、問いかけをしてみるのも効果的だ。「ここで皆さんに聞いてみましょう。◯◯に賛成の方、どのくらいいらっしゃいますか?」と、わざと挙手させるなど、聴き手に行動させるのもよいだろう。

プレゼン上達のためになるべく多く“打席”に立つ

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 プレゼンやスピーチの機会があればなるべく挑戦し、“場数”を踏むことが上達への近道だ。職場によってはプレゼンを実践する機会はそう多くないかもしれない。そんなときは、会議やメールなどで積極的に意見を発表するのも良いだろう。

 また今は、SNSを通じて気軽に自分の意見を発信することができる。そんなことなども含めると、プレゼンの機会は結構あるものだ。機会を得た際は、ここでご紹介した見落としがちなポイントを強く意識してトライしてもらいたい。きっとこれまでと違った手応えを感じるはずだ。また、日頃から機会をつかんで発信しようという意識を持つようになると、チャンスが巡ってきたときに、チャレンジする自信を抱けるはずだ。

 人を動かすプレゼンスキルは、書籍や記事を読むだけでは決して鍛えられない。実際に自分の頭で考え、スライドを自ら作り、プレゼンする機会を数多く得たものだけが磨くことができるスキルなのだ。

 グロービス経営大学院は、実務経験豊富な教員や成長意欲の高い社会人学生が集う場であり、実際のビジネスの現場さながらの環境でプレゼンをトレーニングする機会が数多く用意されている。

 グロービスでは、MBA科目の一部を1科目(3ヶ月)単位で受講できる単科生制度が用意されており、「ビジネス・プレゼンテーション」もその対象となっている。興味のある方は検討してみるとよいだろう。







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