出費を抑えようとしても浪費を繰り返してしまったり、薬をキチンと飲まないでいつまでも症状が良くならなかったりなど、同じ状態から抜け出せないということはないだろうか?
センディル・ ムッライナタン氏らの著書『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』によれば、実はその状態は全て「欠乏」が引き起こしているそう。
今回は、欠乏が引き起こす問題点に着目して、著書の内容の一部を紹介していく。
欠乏は集中と同時に、「トンネリング」を引き起こす
「欠乏」は、自身がそのとき最も重要と思うことに集中させる力を持つ。しかし、その代わりに「トンネリング」を引き起こすと言われている。
トンネリングとは、目先の欠乏に対処することだけに集中してしまい、他のもっと重要かも知れないことをトンネルの外へ押し出して放置してしまうことだ。例えば、本やTVに集中しすぎると、隣にいる友人が話しているのに気づかないように……。
欠乏は、自身が使える能力を減らしていく
パソコンでネットサーフィンをしているとして、それなりに速いコンピューターなら、次から次へとぺージを進むことができる。しかしバックグラウンドで他に多くのプログラムを開いていたらどうだろう。
欠乏はこれと同じようなことを、人の心に対して起こすと言われている。心に他の処理の負荷をかけ続けることによって、目前の課題に向けられる「心」を少なくさせるようだ。これが、欠乏は直接的に処理能力を低下させる、ということに繋がっていく。
トンネリングが積み重なると「ジャグリング」が起こる
今週を切り抜けることだけに集中していると、次の週に何があるのか細かいことまで把握できない。そして次の週になると、予想しておくべきだったことが起こって、びっくりすることになる。
これが続くと、やがて著書で「ジャグリング」と呼ばれているものになっていく。ジャグリングとは、緊急の課題を曲芸並みに次から次へとやりくりすることだ。
ジャグリングは、先に述べたトンネリングによって発生する。トンネリングを起こすと、問題をその場しのぎで解決するが、それが将来の新しい間題を生む。今日の請求書のために借金をすると、それが将来的に少し高い別の請求書になってしまうそうだ。
行動と欠乏を結びつけた著書『いつも「時間がない」あなたに』。「欠乏」に対してどうアプローチしていけばよいかについても載っているため、気になった方は一度お手に取ってみては?
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