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「起業は東京で」は、もはやは思い込み。地方自治体も支援する「地方起業のメリット」とは

坂本茉里恵

2015/03/12(最終更新日:2015/03/12)


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「起業は東京で」は、もはやは思い込み。地方自治体も支援する「地方起業のメリット」とは 1番目の画像

 「起業をするなら、人の多く集まる場所で」と思う人が多いでしょう。そうなると必然的に、日本で最も人の集まる東京で起業をすることになります。

 しかし現在、東京以外の地方で起業する人々や会社に注目が集まっています。それは、地方での起業に東京にはないメリットがあるためです。ではそのメリットとはなんでしょうか?

コストを抑えられる

 起業しようと思ったら、オフィスを確保したり人を雇ったりしなければなりません。オフィスの賃貸料や人件費は明らかに東京より地方の方が安いです。固定費・人件費を抑えられるのは、起業するにあたって大きなメリットではないでしょうか。

場所に縛られない業種が増えている

 若者が起業する際、参入障壁の少ないITやICTの分野での起業が現在では一般的です。これらの分野は参入障壁の少なさ以外にも大きなメリットがあります。それは「場所に縛られない」ことです。

 PCを使った業務が大半を締めるものであれば、絶対に東京にいなければならないということはありません。また、インターネットの普及によって遠隔地との打ち合わせや会議の手段も数多く存在します。

東京の「当たり前」が地方では新鮮

 例えば、東京に大きなデパートができたとしても、感動を覚える人はさほど多くはないでしょう。しかしこれが地方にできたとしたら、大きな話題になるのではないでしょうか。

 つまり東京では当たり前のことでも、地方では非常に新鮮なものと捉えられるのです。そのため地方で何か新しいことを始めると、注目を浴びることができます。「東京で50番」といわれるよりも、「県内で1番」の会社の方が注目を集められます。

地方での起業を支援する自治体がある

 そして、地方での起業の大きなメリットとして、ここ数年の間に起業を支援している自治体が増えていることも見逃せません。以下にその例をいくつか紹介します。

福岡県福岡市……「グローバル創業・雇用創出特区」へ指定

 福岡市は国の「グローバル創業・雇用創出特区」に指定されています。これを受けて法規制の緩和を国に要求したり、福岡で起業した人たちへの相談窓口や補助金制度を設けたりしています。

長野県松本市……専門家がスタートアップを支援するネットワークを構築

 長野県松本市では、創業まもない起業に対して弁護士や税理士、商工会議所や銀行などが連携し、対象企業を定期的に巡回して問題解決を助けるネットワークを構築しました。相談する相手を見つけることが難しいスタートアップ起業には、嬉しい制度といえるでしょう。

宮城県仙台市……スタートアップのIT環境をサポート

 仙台市では、起業家支援のためにソフトウエア開発会社と連携。起業家業務課題や悩みをヒアリングし、ソフトウェア開発会社の支援を受けられるようにバックアップするそうです。実際に、文書作成などの分野でこの会社の知見が利用され、業務効率化などに大きく貢献しているとのことです。


 地方での起業には厳しい点も確かにあります。しかし流通やインターネットが発達し、人々のニーズが多様化している今、地方で起業するからこそのメリットも多いのではないでしょうか。

 今後地方での起業が増えてくれば、地方から日本を元気にしていくことも可能になるでしょう。

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