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「従業員第一主義」で顧客満足度が向上。サウスウエスト航空の経営哲学には仕事を楽しむヒントがある

坂本茉里恵

2015/03/04(最終更新日:2015/03/04)


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 多くの会社ではお客様を大切にしたビジネス展開をしています。企業にとって顧客を満足させることは、その後のビジネスを成功に導く大切な要素です。

 しかしアメリカのサウスウエスト航空では「従業員第一主義」、つまりお客様よりも従業員の方が大切という理念を掲げています。さらにこの従業員第一主義は、結果的に顧客の満足度向上にもつながっているのです。これは一体どういうことなのでしょうか?

サウスウエスト航空の従業員第一主義とは?

 サウスウエスト航空はアメリカのテキサス州に本拠を置く格安の航空会社です。格安航空会社でありながら航空会社の安全度ランキングにも上位に入っており、主に国内の短距離路線を運航しています。

 経営手法にもユニークなものが見られるサウスウエスト航空ですが、最も注目すべき点が「従業員第一主義」です。最も大切にするべきなのはお客様ではなく従業員で、従業員の満足度を高めることに徹しています。その徹底ぶりはCEOであるハーバート・ケレハー氏が「従業員を侮辱するようなお客様は自社の飛行機には乗せない」と公言しているほどです。

なぜ従業員第一主義で顧客満足度が上がるのか?

 従業員第一主義というと、お客様は二の次のようにも聞こえますが、サウスウエスト航空では決してお客様を軽んじているわけではありません。従業員を満足させることで、間接的にお客様を満足させているのです。

 サウスウエスト航空の基本理念には「ざっくばらんに」「仕事を楽しもう」というキーワードがあります。顧客が満足するために何をすればいいのかというのを、ほぼ全て従業員任せにしているのです。出発前のアナウンスも従業員によって違っており、中にはラップで楽しませてくれる人もいます。


 自分が楽しく仕事をすることによって、仕事のモチベーションが上がります。モチベーションの上がった社員はお客様を楽しませようと、工夫を凝らしたサービスを行います。サウスウエスト航空では、従業員の満足なくしてお客様の満足はあり得ないと考えているのです。

自分を大切にしてくれる会社だから

 先述したように、サウスウエスト航空では顧客が満足するための基準を従業員任せにしています。そのため従業員はお客様に楽しんでもらうため、ユーモアたっぷりで親しみやすさを感じるサービスを行ってくれます。ときには社内規定に反する場合もありますが、お客様が満足するためであれば多少の違反は容認されています。

 この独特のユーモアの裏にあるのも、やはり従業員第一主義です。従業員第一主義は「自分を大切にしてくれる会社だから、この会社のために働きたい」という気持ちを自然と育ててくれます。

 お客様に自分も愛するこの会社を選んでもらいたいから、面白いアナウンスやサービスでお客様を楽しませようという考えに行きつくのです。結果社員もお客様もどちらも満足できるため、お客様にも愛され、社員にも愛される会社が出来上がります。

 
 「お客様は神様」と言われる日本ではなかなか見られることのない従業員第一主義。しかしいつでもお客様が正しいとは限りませんし、従業員あってこその会社です。

 従業員が楽しく仕事をしていないのに、お客様が楽しくなれるはずありません。まずは従業員を満足させ、仕事に対するモチベーションを上げることが大切なのではないでしょうか。

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