サントリーホールディングスが発表した去年一年間の売上額が2兆4000億円余りとなり、キリンホールディングスを上回った。この結果、同社は業界最大手となり長らく続いていた業界二位を脱却した。
決め手は「ビーム社」の買収
同社は昨年、ジムビームなどで知られる「ビーム社」を買収。その影響は大きく、サントリーHDの去年12月までの一年間の決算では、その前の年を約20%上回る2兆4552億円の売上となった。このうち昨年買収したビーム社(現ビームサントリー)の売上は約2300億円。海外売上高を約70%伸ばしたこともあり、キリンHDには2600億円もの差を付けた。
失敗と言われていた「ビーム社」買収劇
昨年一月に行われたサントリーHDによるビーム社の買収額は約1兆6500億円。三菱東京UFJが1兆4000億円の融資を行い、単独での民間企業向け融資としては過去最大級のものであった。この買収を巡って一部では、蒸留酒の消費量が減ってきている中で蒸留酒メーカーであるビーム社を買収することは多額の費用に見合わないだろうという見方もあった。
今回、国内では業界最大手となったサントリーHDだが新浪剛史社長は「世界を見るとまだまだ上がいる。『日本一になったの?』という程度の話」と、あくまで世界を見据えている。世界進出に向けてビーム社の買収に大きな期待を寄せているのは間違いない。
課題は借入の返済
ビーム社の買収により借入額は二兆円を超えた。課題となるのはこの返済である。同社は2020年までは大きな買収の予定はないとしており、それまでにどれだけ借入金を減らすことが出来るかがカギとなる。
サントリーはビーム社買収以前から2009年の仏飲料大手オランジーナ・シュウェップス・グループを約3000億円で買収するなど、数多くの飲料メーカーの買収を行ってきた。しかし世界に目を向けると米国のザ・コカ・コーラ・カンパニーは売上約四兆円、ジョニー・ウォーカーなどで有名な英国ディアジオは売上約二兆円だ。新浪社長の挑戦はまだまだ始まったばかりだ。
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