ビジネスパーソンは「身体が資本」といわれるように、体調を崩してしまっては元も子もありません。そのため、健康を意識して食生活を見直したり、スポーツジムに通ったりしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、それらを行っていてもすぐには実感しにくいもの。運動と食事がもたらす健康効果はどのようなものなのか、スポーツ栄養学という視点から分析しているのが大阪体育大学教授の岡村浩嗣氏です。
今回は岡村氏の著書、『ジムに通う人の栄養学』から身近に見直すことができる運動と食事に関しての一部をご紹介します。
本のハイライト
健康的な食事は、食べるタイミングが大切
夜に食べ過ぎると太る。身にしみて感じている人も多いのではないでしょうか。これについては、ラットを使った実験が行われていました。ラットの「活動期」と「休息期」に同じ量の砂糖を与えたところ、活動期に砂糖を摂取した時のほうが血中中性脂肪濃度が低いという結果がでたそうです。
この実験結果から、単にバランスの良い食事を摂取していればいいという訳ではなく、(身体を動かし始める前など)食べるタイミングも重要だということを著者は述べています。
身体を動かすとき、炭水化物は必須
近年、低炭水化物(もしくは、低糖質)ダイエットが流行っています。このダイエット方法には賛否両論ありますが、著者によると、運動と併せて行っている場合は炭水化物を抜いてはならないそうです。
実際に、炭水化物を全く摂取しないで運動した場合、血糖値が低下しすぎて3時間で運動を継続できない状態になってしまうという結果が得られました。
炭水化物は、血中のブドウ糖や筋肉などにグルコースとして蓄積されます。この蓄積がない状態(炭水化物を抜いた状態)では、長時間の運動ができなくなってしまい、非常に運動効率が悪くなるそうです。
健康のために必要なこと
ダイエットを含む、健康でいるために必要なことは食事を減らすことではなく、運動とその効果を高める食事だと著者は述べています。
日本人に多いといわれている糖尿病ですが、原因は血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなることです。食べる量を減らせば血糖値を下げることができますが、著者が提案するのは運動によって血糖値を下げる方法。
これもラットを用いた実験が行われています。食事制限のみを行ったラットよりも運動をとりいれたラットの方が、インスリンの働きが良くなるという結果になったそうです。健康でいるためには食事制限だけでなく、運動が必要だということがわかりました。
運動と食事、どちらか一方だけを意識するのではなく、両方をバランス良く取り入れることの大切さがわかる『ジムに通う人の栄養学』。気になった方は、ぜひ手にとってみては?
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