人生には妊娠や出産、親の介護、病気など、続けたくてもどうしても仕事を続けられない理由が出てくることがあります。仕事を辞めざるを得ない状況になったら、会社を退職し、落ち着いたら新しい就職先を探すというのが一般的です。またそういった状況でなくても、別の経験を積みたいと思って会社を辞めるという人もいるでしょう。
しかし、最近一旦会社を辞めても、またその会社に戻ってきてもいいという「出戻り」を歓迎する会社が出てきています。
では、退職した社員を再度雇用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
出戻り社員を歓迎する会社
出戻りの社員を歓迎しているのは、ソフトウェアの開発会社サイボウズ。そのきっかけは1人の社員がボランティアで海外に行きたいと言ったことでした。一旦会社を退職すれば、戻ってきたときに再度就職活動を行わなければなりません。しかし、ボランティアの経験は日本ではあまり重視されないため、戻ってきたとしても新しい就職先を探すのは大変です。「戻ってきたらまた働かせて欲しい」というその社員の声に応じて、出戻り歓迎の制度を作りました。
サイボウズの制度は、退職しても最長6年間であれば会社に戻ってくることが出来ます。出戻ってきた社員はその間に得たものを社長にアピールし、それによって待遇やポジションが決まります。実際にこの制度を使って、同じ業種の他社に就職した人やフリーランスとして独立した人などがいるそうです。
非常に会社を辞めやすい制度ではありますが、この制度を導入してから逆にサイボウズでは離職率が低くなりました。担当者は「一旦会社を辞めたとしても、戻ってきたいと思わせる自信がある」と言っています。
出戻り社員を再雇用することのメリット
このような出戻り社員を再雇用するメリットは、大きく分けて二つあります。
俯瞰的に会社のことを考えられるようになる
戻ってくる社員は「やっぱりこの会社が良かった」と思って戻ってくるので、会社への愛着が違います。もし一つの会社しか知らない新卒の社員が「会社を辞めたい」と言っても「ここは他よりもいい会社だ」と諭してもらえます。良い会社だということがわかり、自発的に俯瞰的な視点を持って会社のことを考えられるようになります
即戦力として高いレベルで働ける
また、別の世界を知ることによって、新たな技術や知識を身につけられるため、同じ仕事をしても違う視点を取り入れながら仕事が出来ます。さらに、会社の仕組みややり方などもよく分かっているため、即戦力として働くことも可能です。
出戻り歓迎の会社は増えるのか
出戻り社員は新卒を雇うよりもコストがかからないため、会社側にも大きなメリットがあります。そのため、出戻りを歓迎している会社は増えてきており、今後も増えていくことが予想されます。
ただし、出戻りも退職前どのくらい会社に貢献していたかが問われ、場合によっては全く違う部署に配属されることもあるため、それなりの覚悟は必要。また、出戻り社員の受け入れに批判的な社員もゼロではありません。安易な出戻り社員の受け入れによって、生え抜き社員に不信感を抱かせるようなことは避けたいものです。
若者の離職率が高い昨今、会社に愛着を持って仕事をしてくれる人材は非常に貴重です。「出戻りしたい」と思うような会社が増え、それを受け入れる体制が整えば、企業と個人の双方にとってより良い社会となるかもしれません。
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