商談や打ち合わせなど、ビジネスの場面では「なかなか会話がまとまらない」「進まない」ということは多々あるだろう。このようなことはビジネスだけでなく、普段の生活でも同様のことが言える。たとえどんなにお互いを信頼していたとしても、相手と自分の条件が合わなければ、会話はなかなか先に進まないものだ。
では、そんな会話の悩みを解決するためにはどうしたら良いのだろうか?
「イニシアチブ」を握れば会話は進む
商談などで会話をしている際には、必ずどちらかが会話のイニシアチブ(主導権)を握っており、イニシアチブを握っている方が、会話を有利に進めることが可能となる。逆に言えば、これを相手に握られてしまうと、自分がその会話をまとめることは難しくなってしまう。
そう考えると、まずは自分が会話のイニシアチブを握ることが大切である。イニシアチブさえ握れれば、あとは自分の思う様に会話を進めていくことが可能となるからだ。
では、どうすれば会話のイニシアチブを握れるのだろうか?
イニシアチブを取るためのポイントは「リスクを取ること」
会話のイニシアチブを取るためのポイントは「リスクを取る」こと。これさえできれば、さほど経験がなくても会話のイニシアチブを握ることは十分可能となる。
リスクを取るということは、「相手のリスクをなくす、もしくは軽くしてあげる」ということ。相手との会話がまとまらない理由の多くは、相手が自分の要求を飲むことによって、何かしらのリスクが生じるためである。そのリスクを除いてあげれば、相手はこちらの要求を飲みやすくなる。
例えば、100円の商品を500個買ってほしいというメーカーがあったとしよう。販売店は100円に利益を乗せて売れるのかというリスクがあるため、400個しか買えないと言ってきた。この時、言われた通りに400個しか買ってもらえなければ、会話のイニシアチブは販売店側にある。
しかし、ここでメーカー側が「では単価を85円にするので、500個買ってください」と言ったとしよう。販売店側の「100円に利益を乗せて売れるのか」というリスクを取ったのだ。これにより、会話のイニシアチブはメーカー側に移る。
ただリスクを取ればいいわけではない
前述したように、積極的にリスクを取れれば会話はよりスムーズに進む。かといってリスクを取るのは自分の側にもリスクが発生するため、安易にリスクを取るのは危険である。
リスクを取る場合に注意すべきポイントは、「リスクを取る目的を明確にすること」と「リスクを取る代わりに相手にも要求をすること」である。上記の例でいえば、リスクを取る目的は「販売店に500個買ってもらうこと」、そして要求は「単価を下げる代わりに500個買ってもらうこと」となる。
このポイントさえ押さえておけば、お互いのリスクを平等にしながら条件を飲んでもらえ、会話がまとまりやすくなるのだ。
なかなかまとまらない会話に困ったら、こちらから積極的に相手のリスクを取ってみてはいかがだろうか? 意外に思われるかもしれないが、相手のリスクを取るだけで、今までずっと進まなかった会話が一気に進んでいくかもしれない。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう