「詐欺師症候群」という言葉を知っているだろうか。
聞き慣れない言葉だが、以前ハリウッド女優のエマ・ワトソンが「詐欺師症候群」であると告白して話題になったこともある。
「詐欺師症候群」とは、一体どのような心理状態なのだろうか?
詐欺師症候群とはどんな状態?
詐欺師症候群=自己評価が低い状態
詐欺師症候群とは、自己評価が異常に低く、自分の成功、業績、他人からの評価などを受け入れない心理状態のことだ。
とくに女性に多いのも特徴の1つとされている。
「詐欺師症候群(インポスター症候群)」とは?
- 自己評価が異常に低く、自分の成功、業績、他人からの評価などを受け入れない心理状態
たとえば、詐欺師症候群の人は昇格したとしても「自分の実力を認めてもらえた」とは思えない。
「たまたま運が良かっただけ」「たまたまポストが空いていただけ」「上司や周りの人が素晴らしいから」などと考える。
また、「私は自分を評価してくれている周りを騙しているのではないか」と、評価されればされるほど自信がなくなって、いつか自分が偽物だとバレるのではないかと不安になる傾向がある。
Facebook社COOの著書でも語られる「詐欺師症候群」
Facebookの最高執行責任者(COO)、シェリル・サンドバーグはベストセラー著書『LEAN IN ―女性、仕事、リーダーへの意欲―』の中で、この詐欺師症候群について述べている。
【詐欺師症候群に陥る原因】なぜ女性が詐欺師症候群になりやすいのか?
“考え方の違い”が詐欺師症候群の原因に
脳の構造上、女性と男性では成功や失敗に対する考え方が異なるそうだ。
「成功」に対する男女の考え方の違い
- 【男性】成功に対して「自分の実力が認められた」と考える傾向がある
- 【女性】成功に対して「周りの人のおかげ、運が良かっただけ」と考える傾向がある
「自分の実力ではなく、周りの人や運に恵まれて成功しただけなんだ」と考えてしまう人は、成功したり、評価されたりしても、結果的には自信を持てなくなってしまう。
そのため、上記のよう考え方の違いがあることを踏まえると、女性のほうが詐欺師症候群になりやすいということになるのだ。
このような女性に多い成功に対する考え方や、周囲からの期待がプレッシャーとなり、詐欺師症候群が引き起こされると考えられている。
詐欺師症候群に陥らない・詐欺師症候群から抜け出すための方法3選
詐欺師症候群に陥ってしまうと、自身のキャリアへの意欲をも失いかねない。
せっかくの優秀な社員が、自信の無さで成果を上げられなくなってしまうのはもったいないことだ。
詐欺師症候群に陥らないために、私たちは何ができるのだろうか?
詐欺師症候群に陥らない・抜け出す方法:①完璧を求めることはやめる
非の打ち所のない完璧な人間になろうと努力することは、想像以上に自分にマイナスのプレッシャーをかけている。
完璧を求めることで現実の自分に苛立ち、結果的に生産性や創造性の低下につながりかねない。
そもそも、人によって完璧の基準は異なるため、非の打ち所のない完璧な人間など存在しない。
完璧すぎる人間よりも、苦手なことがあったり、苦労していたりするほうが人間的な魅力につながると考えよう。
詐欺師症候群に陥らない・抜け出す方法:②失敗を機会だと捉える
自信がなく、失敗することを恐れてしまうのも詐欺師症候群の特徴だ。
しかし、失敗からしか学べないこともたくさんある。
何も学ぶことのない人生など、非常に退屈ではないだろうか?始めからすべてを知っていたら、何も学ぶことはない。
失敗も、客観的に振り返ることで次の成長へとつなげることができる。
「知らないことがたくさんある」「失敗することがたくさんある」ということは、「成長できる可能性もたくさんある」ということなのだ。
詐欺師症候群に陥らない・抜け出す方法:③言葉遣いを改める
自分の成し遂げた業績について話すとき、過剰に卑下していないだろうか?
「単に」「ただ」「だけ」などという言葉を使って自分の能力や成功について話していたら、改めるべきだ。
たとえば、「成功したのは運が良かっただけ」という言い方をしないこと。
「普段頑張っている分、運が味方してくれたのだ」と成功と自分の頑張りを素直に受け止めることが大切だ。
詐欺師症候群のような自信を持てない心理状態に陥ると、新しい挑戦の機会が巡ってきても、活かせずに成長のチャンスを失いかねない。
完璧の基準は人それぞれ。すべてにおいて完璧な人間は存在せず、失敗をしたことで得られるものもあるのだ。
自分に自信が持てなくなったとき、詐欺師症候群になっているかもしれないと自覚したとき、過去の自分の成功を思い出して、自分の頑張りを認めることから始めてみてほしい。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう