「マニュアルに従い、自分では考えない」。そんなマニュアル主義に賛同していては、イレギュラーへの対応は難しいままでしょう。いくらカタチ通り動けても、その動作には「思考」が伴っていないからです。
元マッキンゼーコンサルタントである太田薫正氏によれば、「3つの力を知っていれば、新しい発想が生まれ、論理的に考えられる」そう。その3つの力の正体は太田氏の著書のタイトルに載っています。それが、『思考を広げる まとめる 深める技術』。
今回はこの本の一部から、思考力の根っこを育てるストレッチ法をお伝えします。
思考の基本動作:広げる・まとめる・深める
思考の基本動作は上記の3分野。この3つの分野で、「思考」のかなりの部分をカバーできるそうですが、実際にどのようなアプローチが有効なのでしょうか?
材料を集める、フォーカスする(広げる)
大それたものではない、と思ってしまう方もいるかもしれませんが、「広げる」の基本は、テーマに関して思い浮かぶことをどんどん書くこと。2個でも3個でも、書けば考えが具体的になったり進んだりします。最初の何もない地点からスタートを切ることができるでしょう。
また、アイデアは何らかの制約を設けた方が出やすくなるため、テーマの一部分に意識の範囲を絞ることが有効です。「自由な発想を」と考えると、意識を広く持っていいきがちですが、アイデアの密度を高めるためには避けた方がよいでしょう。
揃える、束ねる(まとまる)
揃えるのは、大きく分けて「内容」と「形式」。内容の場合、例えば対象です。海外への日本の留学生数を比べるなら、国単位か、都市単位かなどを考慮する必要があります。一方、形式というのはアイデアや情報の書かれ方。単語と文章のアイデアが混ざっていると分かりにくいため、どちらかへの統一を施すことが必要です。
また、集まった雑多なアイデアや情報は、要素の共通点を見つけながらグループを作って「束ねる」ことで整理します。
反論を考える(深める)
アイデアや命題に対する反論を想定するのが「反論を考える」。反論は「~は正しくない。なぜなら~」のように、意見と理由が常にセットです。
反論が出たら、「元のアイデア」と「反論」のどちらが正しいのかを判断し、そう判断した理由を考えます。反論に妥当性がない場合、自分の知見ではそのアイデアは正しいということになります。
「広げる」「まとめる」 「深める」、思考の基本となる3要素を意識することで、形だけのマニュアル人間から脱却できそう。『思考を広げる まとめる 深める技術』には、今回ご紹介したものと合わせて33種の考え方が載っています。気になった方は中身をチェックしてみては?
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