日本人が外食でお酒を頼む機会が減少している。NPD Japan Ltd.の調査によれば、外食市場でのアルコールメニューの伸び率は4年前と比べてマイナス約10%だという。
そんな危機的な状況の中で、唯一アルコールメニューが伸びている時間帯がある。それが「14〜17時」の間だ。あまりアルコールのイメージがない時間帯だが、何が増加傾向をもたらしているのだろうか。
「昼飲み」のニーズをとらえた「ファミ飲み」
14〜17時台の伸びを牽引しているのが「ファミ飲み」需要である。ファミリーレストランでは、アルコールメニューを提供している店の増収率があがっているという。
元々ファミリーレストランの顧客だったファミリーやママ、シニア層がお昼にお酒を飲みたいという需要を、ファミリーレストランがアルコールメニューを低価格で提供し
たことによって実現した「ファミ飲み」。グラスは100円、250mlのデカンタサイズでも200円でワインを楽しむことができる。
その魅力は、今やファミリー層などの既存客以外にも広がり、若い女性客やお一人様も利用しているという。お酒を飲む人以外でも楽しめる豊富で手頃な価格の食事メニューが存在することが、ファミリーだけでなく、お酒を飲めないひとを交えた飲み会をしたい人にも重宝されるようになっているという。
「昼飲み」の利用客とは一体誰なのか
ファミ飲みからはじまり、徐々に広がりを見せている「昼飲み」。その利用者は今や幅広い。
「お酒の席」といえば、職場の人や友人とワイワイやる、というイメージがありがちだが、近年増えているのは「一人で静かに飲む」「家族とゆっくり飲む」という需要だということがわかる。
「お一人様」「ファミリー」というのはこれまで居酒屋がターゲットとしてきた層からは少し離れた層である。また、普段の営業している時間帯とも異なっている。これらのことから、居酒屋がファミレス等と同じ層にアプローチをかけるのは簡単ではないであろう。
居酒屋業界は、この「昼飲み」需要に対してどのようにアプローチしていくのだろうか。今後の居酒屋が起こすだろう大きな変化に注目したい。
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