ご主人の実家がある長野県から新幹線通勤をしているというワーキングマザー、株式会社ネオキャリアの平山希さん。自分のようなワーキングマザーが仕事を頑張るために必要なのは、同じ思いを持つ人達が集まるコミュニティだと彼女は言う。
近年、「女性の活用」に関して国や企業も様々な施策を打ち出してはいるが、海外と比較すると依然として女性の就業率は低い。実際に結婚・出産後も働き続ける平山さんに、「女性の働く環境」について思うことを伺ってみた。
――子どもを出産してから、これまで以上に「女性の働き方」に関心を持ったそうですね?
はい。職場復帰してからは、女性の仕事に関する記事などに注目するようになりました。どのような人がどのような働き方をしているのか、上手い仕事の進め方などにはすごく興味があります。また、社内外問わず自分のようなワーキングマザーとつながることで、お互いの仕事や育児に対する思いを共有するようにしていますね。
最近、社内でもワーキングマザー予備軍の女性メンバーが「一緒にランチして下さい」と声をかけてくれます。彼女達とコミュニケーションを取っていると、「仕事へのモチベーションが高い女性達の想い」を共有できるコミュニティが生まれてきているなと感じます。これは、私だけでなく女性メンバー全体にとっての心の支えになるんじゃないかな。
――近年、国内では政府・企業が「女性の活用」について注力する動きが見られますが、先進国における国内女性の就業率はまだまだ低いと言われています。ワーキングマザーの一人である平山さんは、今の日本の女性が働く環境についてどう思いますか?
先進国の中では、圧倒的に未整備だとは思います。私は、出産後も働き続けたい気持ちを重視してきました。でもママさんって、複数の罪悪感を抱えながら働いていると思うんです。自分の子どもに、家族に、会社に少なからず迷惑をかけている気がしていて。私も職場復帰して1ヶ月目は、本当に毎日新幹線の中で泣きながら帰っていました。
それでも、仕事をする中で「会社や社会に貢献している」と実感できることはたくさんあります。だから、そういうポジティブな思いを共有出来る人が社内外にもたくさんいれば、例え辛い思いをしても頑張れると思います。
――ご主人やご家族、また会社の人は、平山さんが出産後も仕事を続けることに対して、どのような理解を示していると感じていますか?
自分達の親世代は考え方が異なることが多いので、「出産しても仕事を続けることについて、良く思っていないのかな?」と不安になることもあります。ただ、子どもが熱を出したり、私の帰りが遅くなってしまったりする時は、代わりに夫の両親が迎えに行ってくれている。いつも応援・協力してくれているのでとても心強く、支えになっています。
会社の同僚や上司も、私の働き方を理解しようとしてくれています。元々上司には「出産後も東京本社で働いて欲しいので、今後の働き方について提案してください」と言われていたんです。そこで、私が産休復帰後の働き方を提案したところ、上司は何一つ反対することもなく「わかりました、それでやってみましょう」と賛同してくれました。日々の業務を通して、「すごく大事にされているな」と感じていますね。
だからこそ、私も営業として掲げた目標達成や組織の売上にコミットする意識がより強くなりました。目標を達成することで自分の役割を果たせますし、それ以上に結果を出すことで、「やっぱり平山さんに戻ってきてもらって良かった」とメンバーに思ってもらえるように努力しています。
――平山さんのように、女性が育児や家事と仕事を両立させるためにはどのようなことが必要だと思いますか?
私の場合、とことん夫に甘えています(笑)。週末の晩ご飯の用意などもしてくれますし、仕事のこと、育児のことについてお互いが考えていることを話すようにしているので、自分ひとりで悩むことはありません。とても心強い存在です。
そして一番大事なのは、自分の想いだと思いますね。出産をして実際に働いてみると、初めて経験することばかりで辛いことや諦めたくなることも都度ありました。でも私は、「子供に自分が頑張っている姿を見せたい」「カッコイイママだなと思ってもらいたい」という気持ちがあれば、どんな場面でも乗り越えられると思っています。やっぱり、自分の根底にある信条や想いを大事にすることが大切なんじゃないかな。
平山希(ひらやま・のぞみ)さん プロフィール
株式会社ネオキャリア 採用インテグレーション事業部 マネージャー
1979年生まれ。大学卒業とともにネオキャリアへ入社、新卒採用コンサルタントとして従事。以降12年に渡り、様々な企業の新卒採用支援を手がける。2011年の結婚を機に、長野在住の夫との週末婚生活がスタート、2013年に長女を出産。2014年の職場復帰後は、「東京-長野」の新幹線通勤を週4日、在宅を週1日というスタイルで働く。
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