「働き方の未来をつくる7日間」というコンセプトのもと、2014年11月19日(水)〜25日(火)の間で開催されたイベント「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2014」。
「働き方」に関する数多くのセッションが行われた中、ここでは「渋谷ではたらくママ社員トーク 育休後のリアル」というセッションで語られた内容をお伝えしていく。
前回の記事はこちら
登壇者
株式会社STRIDE 代表取締役社長 石田裕子氏
株式会社サイバーエージェント 人事本部 労務グループ所属 田村有樹子氏
東京急行電鉄株式会社 渋谷開発事業部 課長補佐 樺幸世氏
株式会社マードゥレクス 経営企画部 経営統括室所属 野村陽子氏
モデレーター
主婦と生活社 CHANTO編集部 CHANTO編集長 山岡朝子氏
見出し一覧
・大容量冷蔵庫、ネットスーパーを頼りに!
・働くママにとって大変なのは料理よりも献立を考えること
・子育てしながら働き続けるには、誰かの協力が必要
・働くママにの必需品は「食洗機」!?
大容量冷蔵庫、ネットスーパーを頼りに!
山岡:今、4人の1日を見て来まして、基本的に慌ただしいということが分かっていただけたと思うのですが、多分、便利なグッズに頼るとか、サービスに頼るとか、そういうことも大事になってくるのかなと思います。
全部自分でやろうと思わず、頼れるところは頼るっていうことなのかなと思い、4人の方にそれぞれ頼りにしているモノや人、サービスなどをお伺いしているので、次のスライドをお願いします。まず、石田さんが頼りにしているもの、こちらですね。ちょっとご説明をお願いしてもいいですか。
まずは冷蔵庫。開けたときにビールが1本しか入ってなかったらへこむのと同じで、食材などがいっぱい入っていると、柔軟に対応できるという安心感があるので、大容量の冷蔵庫はすごく役立ってます。
あとは、ネットスーパーによる買い出しの時間削減。1人目の時は毎日、家に帰ってから買い物に行き、それから調理して出すみたいな感じだったんですけど、それはほとんどなくなっている状態ですね。
世の中は今、「育メン」ブームになっていると思いますけど、主人に関してはどちらかというとそういうタイプではないので、忙しいっていう状況を理解してくれているだけで、とてもありがたいなって思って1人目の時はやってきてたんですね。
夫には自分のことは自分でやってもらうようにしている
でも、2人目の時は今までより協力してもらい、少なくとも自分のことは自分でやってもらうようにしています。例えば、お酒を飲む人って食事の時間が結構長くなるじゃないですか。食べ終わったお皿がいつまで経ってもテーブルに置いてあって、今までは待ってられなくてすぐ片付けてしまっていたんですけど、そこを主人にやってもらうまでぐっと我慢するということを最近身につけました。
食洗器は、皆さんも思っているかもしれませんが、あるとだいぶ違います。これも買ったのは1年ぐらい前なので、もうちょっと早く買っておけばよかったな……と思います。何かに頼るのがそこまで上手くないので、逆に皆さんに教えてほしいぐらいなんですけどね。「自分で何でもやってしまおう」みたいなタイプだったので、もし良いものがあれば教えてください。皆さんから聞きたいなと思ってます。
山岡:ありがとうございます。ネットスーパーについて伺いたいのですけれど、私も取材をしていて、スーパーでお買い物してから迎えに行ったら駄目ということをよく聞きます。
保育園はあくまでも働いている間、お子さんを預かる場所であって、買い物するために預かっているわけではないっていうルールがあるため、買い物してから迎えに行くのが駄目みたいなんですね。
もう少し柔軟だといいなと思うんですけど、そうなるとお子さんを引き取ってからスーパーに買い物に行かなければいけないという順番になります。そこで、ネットスーパーなどを使って買い物の時間を短縮するっていうのは、取材でよく伺うのですが、どうですか? 実際、どういうふうに使ってらっしゃるんですか?
石田:たまたまなんですけど、保育園からの帰り道にスーパーがあるルートを使って、お迎えをしていたので必ずスーパーに寄ってしまってたんですね。そして、スーパーに寄る度にお菓子をせがまれていて、これは良くないと思い、ルートを変えたのがネットスーパーを使うきっかけになりました。
山岡:大体、何時ごろに注文すると何時ぐらいに着くんですか?
石田:私が使ってるのはイトーヨーカドーのネットスーパーなんですけど、翌日になっちゃいますね。結構、配達の具合とかによって違うんですが、前日の7〜8時ぐらいに会社に行きながら注文して、翌日の20〜21時ぐらいに届きます。
山岡:ネットの注文だと、家にいる時間に届くという形なんですね。通勤中などにネットで注文するっていう方法ですね。
石田:スマホで注文したりしますね。
働くママにとって大変なのは料理よりも献立を考えること
山岡:ありがとうございます。次のスライドをお願いします。これは、先ほど少しお話もありましたけど、田村さんの方からご説明をお願いします。
田村:私もネットスーパーとかは使ってますね。ただ、料理がうまく作れないので、それだけでは物足りなくて。というのも、私も主人も酒飲みだったので、子どもが生まれる前は、夜はお酒とつまみが少しあればいいだけの生活をしていたんです。
だけど子どもが生まれると、食生活のバランスなどを色々と考えなければいけなくなり、育休中にもう一度、家庭科の勉強をし直すみたいな感じになってしまって、たんぱく質やビタミンについて学び直してたんですね。
そうしたら、最初職場に復帰した時はネットスーパーでまとめ買いしたものを冷凍するとかやっていたんですけど、なかなか時間がかかって、子どもも大きくなって喋るようになってくると、「まだ? まだ?」みたいなことを、2人がかりで言ってくるんですよ。そうしたら、職場の先輩が「『ヨシケイ』っていうのを使ってるよ」って言ってくれて。
「ヨシケイ」を見てみたら、1週間ごとの献立が決まっていて、それに使う食材が毎日届くことに素晴らしさを感じ、始めたらやめられなくなってしまいました。なので、「ヨシケイ」を使って月から金までの献立を前の週に頼むようにしています。そうすると、毎日食材が届く。もし、自分が家にいなくてもロッカーや家の前に置いてくれるので助かります。
コースも色々あって、別に回し者じゃないですけど、「プチママ」というコースは、お金を数百円足すと、カットした野菜も入れてくれるというもので、どんどん自分も楽していける。1週間お試しとかもあって、そっちを使ってみたら、やめられなくなってカット野菜にするようにしてますね。
そうしたら、献立を考える時間や食材を買いに行く時間はなくなり、牛乳のようなものだけをネットスーパーか時間がある時にスーパーに行って買うだけになったので、すごく楽になりました。
あと、食洗器は今回同居して引っ越したときに購入して使うようにしました。なくても私か母のどちらかは手が空いてるので、食器を洗うことは出来るんですけれど、家族が多いので一人だけ家事している状態が続くのは……と思って、余裕がある時でもガンガン使ってますね。そうすることで、家族みんなで話をしたり、ゲームをしたりする時間がとれるので、これは精神的な意味合いでもあって良かったと思います。
山岡:ありがとうございます。今の話、すごく共感しました。確かに私達も取材でお伺いすると、料理の時間を短縮したいというのはもちろんなんですけど、だいたい平均20分ぐらいで作りたいっていうのが要望として多いですね。
料理は結婚した後もずっと作り続けているから作れるんですけど、献立を考えるのが大変で普通だったら昼間に少し料理本を見て決めるところを、その時間働いているわけですから、ノープランでスーパーの入り口に立つみたいなことが多くある。
料理を作るよりも献立を考える方が時間がかかるという人が多いので、こういうサービスも確かにありだなって思いました。
子育てしながら働き続けるには、誰かの協力が必要
山岡:次のスライドお願いします。こちらは樺さん、わりと家電が多いですね。
樺:家電さまさまですね。
山岡:ご説明お願いします。
樺:1人目の時に買ったのは食洗器だけだったんですけど、やっぱり電化製品。お金で解決できるものはお金で解決しようというわけではないのですが、電化製品には本当に頼っています。
食器を洗う時間って、ちょうど朝ご飯を食べ終わってから家を出るまでの時間や、ご飯を食べてからお風呂に入って子供たちを寝かせるまでの時間など、さっきのコアタイムの時間なんですよね。そこの時間を短縮できるっていう意味で、食洗機は非常に役立ってます。
洗濯機は、日立ビッグドラム乾燥機付洗濯機なんですけど、実は一人目が生まれたときに、日立の縦型の乾燥機付きの大容量洗濯機を買っています。これは、乾燥機がいまいちだったんですね。その頃、夜にやらなければいけないことが色々あり、お風呂に上がった後に温かいお湯でお湯取りをして「汚れが落ちるだろうな」なんて思いながら干してたんですけど、途中で寝落ちするんですよ。次の朝、洗濯していない汚い洗濯機を見て「あっ」みたいなことをやっていて。
2人目の子供を産んで職場に復帰するとき、夫が単身赴任で別居になることがわかっていたので、家電を買い揃えようということで、干すことを諦め、最初から乾燥機がついているものにしようと思い、ビッグドラムにしました。本当にフル活用しています。
あとは、左側にあるルンバっていう掃除機です。汚いのはそんなに気にならないんですけど、埃とかが積もってくると「ダメな母親だな……」と感じてしまうんですよ。そういう精神的なダメージがあるぐらいだったら、これを使えばボタンを押すだけなので役立ってますね。その他にも電動自転車とかも、2人目の時に買って、普通の自転車よりも移動がすごく楽になったので良いと思う電化製品はとりあえず試してみるみたいな感じですね。
電気製品以外では義理の母に頼っている状態です。働き続けるためにはご主人かお母さん、もしくはお父さんか、義理のお母さんかお父さんかっていう、この三人の中の誰かが協力的でないと基本的には無理だと思います。そこのサポート体制をいかに作るかっていうところがすごく大事。
1人目の時は何とかやってたんですけど、主人が単身赴任になり、自分以外の人の協力が欲しいなと。実家の母は少し遠いということもあったので、義理の母にものすごい甘えて距離感を縮め、協力してもらえるようになりました。今は本当に、働き続けるためには欠かせない存在ということで、色々お手伝いいただけて助かっています。
スライドの右側には「なでしこ」とか病児保育のフローレンスがあります。日常を回していくのはスライドの左側にあるものだけでいいのですが、子育てをしながら働き続けていく上でネックになるのは、イレギュラーなことが起こった時にどうするのかや、イレギュラーなことの対応策としてライフラインみたいなものをどれだけ持っていられるか。それを何重に持ってられるかっていうのが大事だと思っています。
東急電鉄は、女性が働きやすい職場ということで、東証から「なでしこ銘柄」に選ばれているんですね。子育てをしながら働く上で助かっているのは、2時間休や午前・午後の半休といったフレックス制度。朝、定時ではなく2時間だけお休みをもらって10時半出社にすることができる。
そうすると、子供が病気の時に病児に対応している保育園に預けたり、あとは病児保育をしているNPOのフローレンスの人たちに病院に連れて行ってもらったりすることができるんですね。そういう、イレギュラーなことに対してのフレキシビリティーさを持っている制度というのは、社員としてすごく助かるなと思っています。そんなことを頼りにしながら日々、暮しています。
山岡:ありがとうございます。この会の最初に育休後の復帰のママのアンケートで困ったことの1位が、子どもの急な病気による呼び出しっていうのがありました。この病児保育のNPOのフローレンスの仕組みをご存知ない方もおそらく多いと思うので、もう少し教えていただいていいですか?
樺:実際に私はこれは利用したことがないんですが、会社の福利厚生としてプログラムに組み込んでくれています。通常で頼むと結構お高いんですけれども、それが非常にリーズナブルな価格でやってくれるんですね。
どういうものかというと、朝8時までに申し込めば100%来てくれて、病気の子供の対応をしてくれる。インフルエンザにかかってしまうと、普通だと預けられなくなってしまうんですけど、それもOKですし、お母さんじゃなくてもフローレンスの人たちが病院に連れて行ってくれるので、病気に対するスペシャリティを持ったベビーシッターみたいなイメージですね。
山岡:そういうところに会社が加入していると、女性が復帰しやすいということもありますね。復帰した後、急な休みを取らずに済むので、会社としても助かるという面もありますよね。
働くママにの必需品は「食洗機」!?
山岡:ありがとうございます。次のスライドお願いします。野村さんのスライド出ますか? ご説明お願いします。
野村:私も1人目の時から「らでぃっしゅぼーや」は使用していて、うちは毎週木曜日にパレットと言って、ジャガイモや人参など基本的な野菜+季節の野菜とかと一緒に、果物も1種類から2種類、週に1回届くようにして使っています。
本当に献立を考えるのが大変で、ワンパターンになってしまいがちなので、「らでぃっしゅぼーや」で届いた野菜を基準にメニューを考えるみたいな。たまに見たこともないような野菜とかが届くので、それは「クックパッド」で、どうやって食べたら一番おいしいのかを調べて料理をしています。
なので、野菜は自然と日常的に出てくるので、子供たちも好き嫌いなく食べてくれるようになりました。また、復帰する前までは食器は自分で洗った方が早いし、掃除機をかけるのも自分でやったほうが早いと思ってたんですけど、2人目の復帰の時に食洗器とルンバを買ったことで働いている間に終わるっていう時間の有効活用ができ、何でもっと早く買わなかったのかなと。
今欲しいのは、日立のビッグドラム乾燥機付洗濯機。洗濯は干すという作業をなくせば、家電を最大限利用できるのかなと思っているので、今の縦型が早く壊れないかなと思ってますね(笑)。
あと、朝は先ほど話したように、うちは私も主人も、2人とも前と後ろに子どもが乗せられる自転車を乗っていて、毎朝主人が2人を自転車の前と後ろに乗せて通っています。私も帰りは自分の自転車に2人を乗せて帰るみたいな。結構、駅で交換されている方とかも多いですね。自転車置き場で、お互いにどこに止めたっていうのを連絡し合って交換しているママさんとかパパさんも、うちの保育園にはいたりします。
あとは、保育園のママ友はすごく仲がいいので、例えば「掲示されている写真の申し込みはいつまでだったっけ?」って誰かに聞けば誰かが教えてくれたりします。義理の母は都内なので30分以上かかるんですが、困った時には助けてくれますし、姉も近所には住んでいるので、本当にどうしても残業をせざるを得ないとき、例えば水ぼうそうとか、元気なのに保育園に行かせられない病気の時とかはお願いするようにしています。
山岡:ありがとうございます。こうして4人の方を見ていくと、食洗器率が100%という。今や働くママの必需品なのかなと感じました。あとルンバも50%、ここにあげてない方も持っているということで75%。ルンバはどうですか? 気になっている方もいらっしゃると思うんですけど。実際のところどうでしょうか?
野村:ルンバを使いたいがために、なるべく床にものを置かないように心掛けてますね。ルンバをかけるとき、下に色んなものが落ちていると巻き込んだりして、途中でルンバが力尽きて、家に帰ると掃除が終わってなかったりとかするので、家をきれいにキープできるみたいな利点もあったりします。
樺:帰って来た時に家がきれいだと、テンションちょっと上がるんですよね。
山岡:便利なものっていうのは、ただ便利なだけでなく、ストレスを減らすという効果も生んでいるのかなと、今思いました。
樺:働きながらだと、時間がないことがどうしてもストレスになる。それで、例えば「早くしなさい」って子どもにも言わなきゃいけないのもストレスになるので、時間をいかに作るかを電化製品で解消できるのは大きいですね。
山岡:ありがとうございます。共通点として、買い物時間の短縮、多少高額でも便利な家電は長期的にもパフォーマンスが高い、あとは家族や友達にしっかり頼っていく。そのあたりが共通点としてあるのかなと思いました。ありがとうございました。(続く)
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