地方公務員給与、3年ぶりに国家公務員水準を下回る
地方公務員の給与が国家公務員の給与を3年ぶりに下回ったことが、地方公務員給与実態調査によって明らかになった。地方公務員の平均月給が32万6969円、国家公務員が33万5000円という結果だ。
3年ぶりの逆転、理由は「時限措置」
国家公務員よりも地方公務員の給与が高いこれまでの状況を疑問視する人もいるかもしれない。しかし、この状況は3年間実施された政府の施策によるものであった。
復興財源確保の時限措置が終了
3年ぶりに地方公務員の給与が国家公務員の給与を下回った理由は、東日本大震災の復興財源確保に向け2012年から政府が行なっていた時限措置が、今年の春で終了されるためである。この「身を切る」時限措置は、国家公務員の給与を平均7.8%減額させるというもので、2014年度で廃止された。
そのため、今まで低水準であった国家公務員の給与が増加、時限措置開始前のように地方公務員の給与が下回る結果となった。
国家公務員の給与を上回る県や10ポイント以上下回る市町村も
地方公務員のラスパイレス指数(国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を示す数値)が平均で98.9であったのに対し、愛知県は102.9で47都道府県のうち最高値であった。愛知県以外にも国家公務員の給与が上回っている都道府県が20ある。
この原因はよくわかっておらず、愛知県側は、「基本給のみを比較する数値であるために必ずしも実態を表すものではない」と発言しているようだ。
しかし、国より約10ポイントも下回っている市町村もある。国家公務員の給与削減措置が終了した一方で、未だ減額が継続している都道府県や市町村があるからだ。そのような実態に対しては批難の声も上がっている。
国は2年間で時限措置を終了させたが、地方や国民、民間に対する時限措置は未だ継続中だ。この実態を国はどう受け止め、判断するのだろうか。
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