無意識にとってしまう様々な行動。私達は無意識のうちに様々なことを考えています。予定の先延ばしなど、なんのメリットもない行動を取ってしまうこともありますよね。
行動経済学者のダン・アリエリー氏によると、無意識な行動は、「行動経済学」を用いて客観的に見ると全て予測可能な行動だそうです。
そのことについて、豊富な事例でわかりやすく「行動経済学」について書かれているダン氏の著書『予想どおり不合理』から一部をご紹介します。
「行動経済学」を日常から学ぶ
「経済学」は、合理的な概念や論理が基盤になっており、それを元に景気の予測などを行っています。しかし、私たち人間や、社会は不合理なことばかり。
しかし、著者によると一見不合理とおもえる行動も実は経済学として予測が可能なのが「行動経済学」。具体的な例から紐解いていきましょう。
「無料」につられてしまうワケ
商品を買うとき、「おまけ」が付いてくるとお得に感じたり、ネットショッピングであれば「1万円以上送料無料」などといったシステムに魅力を感じ、色々買いすぎてしまう。そういった経験があるのではないでしょうか?
「無料」という言葉には、本来のモノの価値を超える魅力があると著者は述べています。「無料」になると、商品のデメリットを忘れてしまい「無料」に大きな感動を覚えてしまうものだそう。
「無料」の効果が顕著に現れている例として、著者はAmazonを挙げています。Amazonは先述したように、一定額以上の注文で送料含む配送料が「無料」になるというシステムです。このシステムを採用してから、売上を大きく伸ばしたそう。
何かと「先延ばし」にしていませんか?
仕事上あまり重要でないタスクや、プライベートの用事など「後でやればいい」と先延ばしにした後、「最初にやっておけば良かった」と後悔することが稀にあります。なぜ、最初にやるべきと頭でわかっていながらも、それに逆らうように「先延ばし」にしてしまうのでしょうか。
著者は、「先延ばし」にしてしまう原因を調べるため、学生を対象にレポート課題の提出期限をクラスごとに設定する実験をしました。この実験の中で、提出期限を学生に自由に設定させたクラスでは興味深い結果に。
提出の期限を早い時期に設定した学生は、高い成績を取り、最終日付近に設定した学生は低い成績だったそうです。つまり、自らが期限を決めて決意表明することで「先延ばし」をすることなく目標が達成できるのではないだろうかと著者は述べています。
私たちが無意識だと思って行っていることは、実は全て予想通りに行っているということがわかりました。『予想どおりに不合理』では、今回ご紹介したものだけでなく様々な角度から「行動経済学」に触れることができます。気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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