「人の悩みのほとんどは人間関係によるものだ」ということは、最近話題となったアドラー心理学でも言われていることです。職場においても、自分と相手の価値観の違いから仕事が上手くいかなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。
ビジネスパーソンを支える仕事、エグゼクティブ・コーチをしている和気香子氏は、視点をずらすことで、相手との関係を好転させることができると言っています。
ここでは、和気氏の著書『人の気持ちがわかる人、わからない人』から、価値観が合わない人とも良い関係を築くきっかけ作りについて学んでいきます。
「視点をずらす」とは?
せめて一度でも相手の価値観に共感し理解することができれば、どのようにその人に働きかけるのが効果的なのか予想がしやすくなるはず。そのために行うのが、「視点をずらす」ということです。
物事を見るときの視点は、自分を中心にした視点、相手の立場に立った視点、全体を見る俯瞰の視点の3つの視点に分けることができます。日頃はこの3つをバランスよく取れていても、ストレスを強く感じているときは、どうしても自分視点になりがちなもの。
「苦手だなあ」と一度思ってしまった相手に対しては、意識的に相手の視点、俯瞰の視点を取ることで、広い視野を取り戻すことができるそう。
苦手な上司について、3つの視点で見てみよう
自分としては頑張っているつもりなのに、次々と上司に問題点を指摘されてしまう。そんなことが続くと、いつの間にか上司のことが苦手になり、どんどんストレスが溜まってしまいます。ここでは、そんな場合の対処法をお教えします。
まずは「頑張っても認めてもらえない」という自分視点から抜け出し、相手視点になって考えてみましょう。
上司の視点を取ってみると、「仕事でミスがあったら困るし、欠点を指摘することで部下も成長するだろう」と相手は思っているのかもしれないと想像できます。
さらに、俯瞰視点で考えてみれば、「今取り組んでいる仕事に対して、どちらも熱心なあまり関係がギクシャクしているけれど、この仕事が終われば落ち着くだろう」などと、冷静に関係が悪くなっている原因と今後の見通しについて考えられそうです。
このように、3つの視点を使い分けることによって、相手との関係が上手くいかない原因や、相手の言葉の意図などの新たな気づきを得ることができます。そのどこかで共感が生まれれば、今までよりも一緒に仕事をしやすくなるはず。
今回は、『人の気持ちがわかる人、わからない人』という本から、視点をずらすことで人間関係を円滑にする方法を見ていきました。
もし、なにか人間関係に関する悩みを持っている方がいたら、まずは相手目線、俯瞰目線になってみてはいかがでしょうか?
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