中国政府によって自国の行政長官選出時に普通選挙が制限されている香港。完全な民主化を求めた人々が長期に渡ってデモを繰り広げてきた。
デモ隊強制排除でデモ終結
9月28日から続いた香港でのデモは地元警察の強制排除により、約2ヶ月半で終結を迎えた。一連のデモで発生した逮捕者は計955人、警察への出頭者は計75人。死亡者は出るに至らなかったものの、デモの激しさが伝わってくる数字だ。
デモ開始から終結まで
そもそも、このデモは中国政府による自治権の制限に対抗して勃発した。
香港市民、怒り勃発の理由
1997年までイギリスの植民地であったが、中国に返還後中国の一部となり、一国二制度をとっている。中国の一部であるとは言え、中国とは異なる資本主義体制をとり、高度な自治権が認められていることで有名だ。
2017年の行政長官選から1人1票の普通選挙が導入されることになったが、中国政府の公認がある候補者しか立候補出来ないことを中国政府が2014年8月31日に決定。行政長官とは、首長のことであり、行政機関のトップの存在である。日本で言うところの内閣総理大臣や都道府県知事等を指すことからも、香港にとって重要なポストであることは明白だ。
その重要なポストである行政長官の選挙で中国政府が主導権を握っていることに対し、香港市民の怒りが沸き立った。
デモ激化で逮捕者・負傷者
中国政府に対する怒りが勃発した後、香港市民はデモや集会を開始。大学生や高校生は講義のボイコットを始め、政府期間の周辺で座りこみを続けた。政府機能麻痺になり、警察と市民がもみ合った結果、負傷者や逮捕者が続出。
強制排除でデモ終結
政府機能や商店、交通機能まで機能不全に陥り司法機関が動き出した。12月11日、裁判所による道路占拠禁止令を受けて、警察による強制排除が開始。繁華街のバリケードが撤去、デモ隊の拠点も撤去されることに。警察は催涙スプレーを使用し、立ち退きを拒否した人を逮捕する等法的権力を行使した。
負傷者や逮捕者を多数出した香港デモ、「雨傘革命」。香港市民の要求は認められなかったが、今回のデモが国際社会から関心を寄せられたことは確かだ。香港市民は今後も中国政府に抗う姿勢を取っており、今後の行動と民主化の動向が注目される。
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