米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本国債の格付けを従来の「Aa3」から「A1」に引き下げた。これはG7の中ではイタリアに次いで低い評価。
この格付けは各国の国債の信頼性を表すもので、今回の格付けで日本は中国や韓国よりも下、チェコやイスラエルど同水準となった。
消費再増税の延期が格下げ理由か
この格付けの基準の中で、日本は「財政力」の項目のみ目立って低いという結果になった。日本の債務が対GDP比で250%近い数字であることが、日本国債の信頼性を損なっているとかんがえられる。
さらに、消費税引き上げを一度決めた時期から先延ばしして、税収増を見込める要素がひとつ少なくなったことが、このタイミングでの格付け引き下げにつながったとみられる。
しかし、財政力以外の基準に関しては高評価を得ており、国際社会からは莫大な国債を抱えている状況こそが、日本政府が解決すべき急務であると映っているといえる。
ムーディーズの格付けには疑問も
国内からは、この格付に対し疑問の声も上がる。基礎経済力の高さや、デフォルト(債務不履行)のリスクの低さなどを理由に、相対的な日本の評価が低すぎるのではないかというのだ。一部では格付けの方法を疑問視する声もある。
市場はこの格付を重要視せず、格付け引下げ後も売りが広がる動きはみられていない。このことからも、格付けの引き下げにより、すぐさま日本の国債のリスクが高まっていると結びつけるのはやや軽率な印象が持たれるが、日本の財政状況が楽観視できるものでなく、打開策が求められている。
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