最近、「書くだけ、口にするだけで自然と願いが叶う」といった主張をよく見かけます。人の行動は、無意識のうちに考えに左右されているようです。
科学ジャーナリストであるクリス・バーディック氏によれば、脳はいつでも予測ばかりしており、私たちはその未来予測に支配されているということです。
もしそうなのであれば、少しでもその機能を有効に使いたいもの。ここでは、バーディック氏の著書『「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか』を引きながら、脳の仕組みを活用する方法を考えていきます。
脳が活性化するのは「得られそう」なとき
脳には、「報酬系」という仕組みがあります。これは、欲求が満たされたときや、満たされることが予想されたときに活性化し、快感をもたらすものです。
意外なことに、この報酬系は、欲しい物が得られたときよりも、「これから手に入るかもしれない」という期待をしているときの方がより強く活性化しているそう。
これは、欲しい物=目標と置き換えても同じことが言えるはず。常に目標を立て、1つ達成してもまた新たな目標に向かって進むことが、脳の活性化も助け、快感も得られるということに繋がりそうです。
期待が現実とのギャップを生む
美味しいと評判のお店に行ってみたら、「あれっ?」と思った経験がある方は多いのではないでしょうか。
期待でハードルの上がった状態で物事を評価すると、事前に何の情報もなかった場合よりも厳しい評価をつけがちです。これは逆も然りで、期待せずに見た映画が案外良かった、なんてこともありますよね。
このように、私たちの評価は予想とのギャップの影響を受けています。物事を正しく見極めたいのであれば、事前の予想を排除して対象に向き合うのがいいやり方と言えそうです。
黒いユニフォームのチームは反則が多い?
「黒いユニフォームのチームは反則が多い」ということは、研究に基づいた事実です。「悪人は黒を着る」「悪人ならばラフプレーをするはず」といった思い込みが、実際に着ている人の行動まで操っているよう。
新たなことに取り組むときに形から入るというやり方がありますが、これは脳の仕組みを活かした、有効な手段と言えそうですね。
今回は、脳の予想する仕組みとその活用法について見ていきました。自分の期待や予測を上手く利用して、理想の自分への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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