ビジネスパーソンにとって「印象」は大切な要素の一つ。特に営業職は、第一印象がその後の商談を大きく左右するといわれているほど。「この人と仕事をしたい」「この人に任せたい」と思ってもらえる印象は、どうしたら作れるのだろうか。
第一印象アップのポイント「ABC」
印象を上げるためのポイントは、大きく分けて以下の三つである。
Appearance(=外見、表情)
人材派遣会社ヒューマンブレインが行った「『営業マンの第一印象』についての調査」によると、「第一印象がよい」と判断されるのは、「表情が明るい(37.3%)」「笑顔が自然(25.7%)」「目線を合わせて話す(20.5%)」という要素だそうだ。
一方で「第一印象が悪い」と判断される要素は「表情が暗い(28.2%)」「目線を合わせて話さない(26.2%)」「笑顔が不自然(14.0%)」など。これらのことから、多くの人が第一印象を「外見」「表情」で判断していることが分かるだろう。
不安で表情が暗くなってしまったり、緊張で目を合わせなかったりということは誰にでもあることだ。しかし、そんな状態では相手によい第一印象を与えることはできない。ぜひ客観的に自分の表情を見直し、相手にどのような印象を与えているのか見直してみよう。
Behavior(=立ち居振る舞い、仕草)
どんなに外見がキマっていても、物を置く際の動作が雑だったり、姿勢が悪かったりするだけで印象は悪くなってしまう。お辞儀や名刺の渡し方などのビジネスマナーに気を付けるのはもちろんだが、物の扱い方や姿勢、歩き方などにも注意を払いたい。
Communication(=相手に伝わる話し方/相手の話の聞き方)
自分は伝えたつもりでも、相手に伝わっていないことがしばしばある。コミュニケーションは「受け取り手が全て」だ。どう伝えたら相手に一番伝わりやすいのかを考え、工夫しよう。
また、自分が伝えるだけでなく、相手の話をきちんと受け止めることも大切だ。ただ相手の話を聞くだけではなく、相づちを打ったりキーワードを復唱したりと、「聞いている」姿勢を表してみよう。
現に、著名人をインタビューする連載を持つエッセイストの阿川佐和子氏も、著書『聞く力』で「相づちは大事」「困った時は『オウム返し』」と、「聞く姿勢」の重要性を述べている。
マトリクスで自分の印象を確認
とはいえ、自分が現状どんな第一印象をも与えているのか、またそれをどのように改善すればいいのかを把握する方法は意外と難しい。そこで活用してほしいのが、上記のマトリクスだ。
内容は、前述した「ABC」と「WHPC」という要素を掛け合わせたもの。WHPC
とはそれぞれ「Want(=自分がなりたい姿)」、Hは「Hope(=顧客が望んでいる姿)」、Pは「Present(=現状)」、Cは「Can(=今後自分ができること)」を示している。
これらの要素をABCと掛け合わせることで、自分の現状と理想のギャップを各項目ごとに確認できる。そして、それらの課題に対して対策を考え実行することにより、第一印象が改善され、相手にとってより魅力的に見えることだろう。
新たなスキルをすぐに身に着けることは難しい。しかし、服装や立ち居振る舞いなどの印象は自分の心がけ次第で簡単に変えられる。魅力的なビジネスパーソンに近づくために、ぜひ「ABC」を意識してほしい。
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