近年注目を浴びつつある「ウィークタイズ」。「弱い絆」との意味を持つウィークタイズとは、どのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、ウィークタイズの意味やメリット、関係を築く方法などを詳しくご紹介します。
新たなコミュニティに参加したい人や、利害関係のない人間関係を築いていきたい人は、ぜひ本記事を読み進めてみてください。
- 弱い絆「ウィークタイズ」とは?
- ウィークタイズのメリットとは?
- ウィークタイズな関係を築く方法とは?
有益な情報は、弱い絆「ウォークタイズ」でこそもたらされる?
「ウィークタイズ」という言葉を聞いたことはあるけど、内容や意味についてはよく知らないという人もいるのではないでしょうか。まずは、ウィークタイズについて詳しくご紹介します。
「ウィークタイズ」とは「弱い絆」との意味。1973年にスタンフォード大学のマーク・グラノヴェッターが論文の中で書いた理論のことです。
マーク・グラノヴェッターによると、毎日顔を合わせるくらい強い絆でつながる人間関係よりも、適度に顔を合わせる程度の人間関係の方が有益な情報をもたらしてくれるといいます。実際、転職する時に役に立った「ツテ」を調査したところ、84%の人が「稀にしか顔を合わせない人の方が有益な情報をくれた」と答えています。
日本では仕事以外の時間も、仕事関係の人間関係に縛られることがしばしばあります。このような絆のことをストロングタイズと呼びます。
ストロングタイズは安心感を与えてくれるものです。しかし、ストロングタイズでは、狭い人間関係しか築けません。
真のビジネスチャンスは薄い関係によって繋がれた、ウィークタイズによってもたらされることが多くあるとマーク・グラノヴェッターは示しています。
「ウィークタイズ」の3つのメリットとは?
「ストロングタイズよりも、ウィークタイズのほうが有益な人間関係を築けるのかな?」と、疑問に持つ人も多いのではないでしょうか。
以下では、どうしてウィークタイズのほうがより有益な情報を得られるかを説明しながら「ウィークタイズ」のメリットについて詳しくご紹介します。
メリット1.異なる客観的視点・価値観から問題解決できる
ウィークタイズの1つ目のメリットは、異なる客観的視点・価値観から問題解決できることです。
現代社会における複雑化した問題を解決していくには、様々な情報を取り入れながら、より多くの視点からアプローチしていく必要があります。
ウィークタイズの人間関係は通常仕事とあまり関係のない場所で生まれます。ウィークタイズの人間関係で異なる環境、異なる考えを持つ人がいれば、自分と異なる人の視点を知れ、異なる視点からのアプローチをしやすくなるのです。
メリット2.気軽に相談できる
ウィークタイズの2つ目のメリットは、気軽に相談できることです。
身近な人には相談しにくいことも、ウィークタイズな関係であれば、知っている人に話される危険性も低く、心理的にも話しやすくなります。
例えば、転職を考えたとき、ストロングタイズな関係である会社の上司や友人、家族に相談しにくく感じる人も多いでしょう。このような、相談したことに関して相手に「利害」が生じる場合、相談しても客観的な意見はもらいにくくなります。
あなたが転職することで何の利害関係もないウィークタイズな関係の人に相談するほうが、心理的な負担も少なく、客観的な意見をもらえるでしょう。
メリット3.利害関係が少なくフラットに付き合える
ウィークタイズの3つ目のメリットは、利害関係が少なくフラットに付き合えることです。
ストロングタイズの場合は、上下関係があることが多いのではないでしょうか。会社の上司・先輩・取引相手など気を使って話さなければいけないケースも多いでしょう。
しかし、ウィークタイズの人間関係の場合は、お互い仕事と関係なく話せるので、フラットな関係を築きやすくなります。
モノやサービスが溢れている現代において、ビジネスの成功の鍵を握っているのは、新たな視点からのアプローチです。そのためには、異なる環境や考えを取り入れやすい、ウィークタイズの人間関係が必要不可欠となります。
例えば近年、企業や大学、研究機関などが協力してひとつのものを作り上げるオープンイノベーションが積極的に行われています。これは「企業」というストロングタイズな枠に留まらず、別の価値観を持つ大学や研究機関とのウィークタイズを利用して生まれるものです。実際できあがるものは企業だけで作り上げるものより、数段良いものになる場合がほとんどです。
ウィークタイズな人間関係を利用して、有益な情報を出し合ったり、お互いに刺激しあったりしてみてはいかがでしょうか。
ウィークタイズな関係を築く方法とは?
これまで、ウィークタイズな関係のメリットをご紹介しました。「自分もウィークタイズな関係を作りたい」と思った人も多いのではないでしょうか。
以下では、ウィークタイズな関係を築く方法をご紹介します。役に立つ「弱い絆」を作りたい人はぜひ参考にしてください。
1.サードプレイスに行く
ウィークタイズな関係を築く方法の1つ目は、「サードプレイス」に行くことです。
家庭のことを「ファーストプレイス」、会社のことを「セカンドプレイス」といいます。
そして「サードプレイス」とは、家庭でも会社でもない第三の空間のことをいいます。自分にとってくつろげる特別な空間であるサードプレイスでは、これまでの人間関係や立場などが関係なく、フラットな立場で新たな人間関係を構築できる可能性があります。
「一個人」としての立場で関係を作れるサードプレイスへ、意識的に参加してみてはいかがでしょうか。
2.様々なコミュニティに参加してみる
ウィークタイズな関係を築く方法の2つ目は、様々なコミュニティに参加してみることです。
趣味のサークルや地域活動、異業種交流などに積極的に参加している人は少ないのではないでしょうか。ウィークタイズな関係を築くためには、人との交流が欠かせません。
ボランティアのように人が集まるコミュニティに参加したり、自分の好きなゲームのオフ会やフットサルサークルなどを楽しんだりしながら、人と出会う機会を増やすことをおすすめします。
これからのビジネスはウィークタイズが鍵
- ウィークタイズな関係によって、ビジネスチャンスがもたらされることが多い
- ウィークタイズな関係を築くと、気軽に相談できたりフラットな関係を作れたりする
- 様々なコミュニティに参加して新しい人間関係を構築する
ウィークタイズの関係性は、サードプレイスやコミニュティに参加することによって弱い絆が作られやすくなった現代において、より重要な役割を果たしていくでしょう。
今まで強い絆しか築いてこなかった人は、弱い絆を築くために積極的に新しい交友関係を作ってみてはいかがでしょうか。自分の見えている世界や価値観が一気に変わる可能性があります。
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