マッハ5という速さ、どれくらいの速さかみなさんは想像がつくでしょうか? 時速に換算すれば6,120km/hで、これは6時間ちょっとで地球を一周できてしまう速さです。想像を超える驚異的な速さですが、マッハ5の速度で移動するということが現実になろうとしています。
4時間で地球の裏側まで行ける脅威のエンジン
マッハ5を実現するのは航空機用の新しいロケットエンジンシステム「SABRE」。イギリスのReaction Engines Limited社が開発しているエンジンシステムで、通常の飛行機のエンジンとは全く違う構造になっています。
通常のエンジンは入ってくる空気を圧縮して、そこに燃料を吹き込むことで燃焼ガスを作り推進力としています。しかし、この方式だと圧縮した空気の温度が上がるため、耐熱性のある重い素材を使わなければなりませんでした。
「SABRE」はその問題を改善するために予冷器を搭載し、入ってくる空気を瞬時に冷やすというシステムを構築。これにより重い素材を使う必要がなくなったことがマッハ5を実現する大きなポイントになっています。
しかもこのエンジン、戦闘機などの特殊な用途に作られたものではないのです。「SABRE」は今後、定員300人の商用航空機に使用される予定で、ベルギーとオーストラリア間を2〜4時間で移動できるようにすることを想定しています。
また、2019年にはテストフライトも控えており、開発段階とはいえかなり現実的なプロジェクトのようです。
実現すれば、ちょっと散歩する気分で海外旅行が楽しめちゃうかも? 空の移動手段に大きな変化が訪れそうです。
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