安倍政権は発足以前から、100万人以上の雇用を生み出すことに成功している。しかし、その実態は正規労働者が20万人以上減少し、非正規労働者が120万人以上増加したというものだ。その中でもとりわけ、望まずに非正規労働者となった「不本意非正規」の若者の増加が問題視されている。
「不本意非正規」とは
非正規労働者のうち5人に1人の割合を占める「不本意非正規」。子育てや生活との両立で自ら非正規雇用を選択していることも少なくないが、自分の意志に反して非正規雇用となってしまう人も多い。それが不本意非正規である。
非正規の雇用形態を選んだ理由については、「正規の職がないため」と回答する声が多く、正社員になることが難しい現状があるようだ。
「不本意非正規」に向け、夜の説明会を開催
こうした問題を解決するため、都内のハローワークでは「不本意非正規」に向けた説明会が開かれている。その説明会に参加する全企業が、正社員の採用を目的に参加。そのために直接正規雇用に結びつきやすい。
不本意非正規の増加は当事者だけでなく社会的な問題だ。
日本にとっての弊害
非正規労働者の平均年収は168万円。これを月収に換算すると14万円である。1人であれば生活も可能かもしれないが、家庭を持つ人にとって十分な額とは言えない。
結果、結婚を選択出来ない若者が増加し、少子高齢化がますます進行。さらに、生活が出来ないとの理由で生活保護受給者が今よりも増加すると言われている。
企業にとっての弊害
企業の必要に応じてその将来が左右されることがある非正規労働者。企業にとっては使いやすく、メリットが多いように感じられるが、企業の成長や継承の妨げとなる可能性がある。
企業は、先が見えない非正規労働者に対して十分な教育を行なわなくなり、人材育成が出来ないという悪循環は珍しくない。
政府は「頑張る人が報われる社会」の実現のために様々な対策を行なっているが、まさにこの「不本意非正規」の問題はそれを表す問題と言えるのではないか。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう