今、世界中で海外ドラマブームが再来している。2014年度のエミー賞をほぼ独占し、ファンやメディアからの評価の高さでギネス世界記録にも認定された歴史的海外ドラマ『ブレイキング・バッド』や、『ER 緊急救命室』が持つNBC局の初回最高視聴率を19年ぶりに更新した『ブラックリスト』など、これまでの常識を覆す海外ドラマが続出。
これらの秀作はなんと、アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ氏や「投資の神」と崇められるウォーレン・バフェット氏といった、世界的に影響力を持つ大物たちをも虜にしているらしい。今回は、今までの海外ドラマブームとは一線を画す、この「第三次海外ドラマブーム」にフォーカスしていく。
ビジネスパーソンなら必ず共感できる?第三次海外ドラマブーム
日本のビジネスパーソンの皆さんは、「『24-TWENTY FOUR-』にはまって以来、海外ドラマを観ていない」なんて人も多いのではないだろうか。そんな皆さんにこそ、今回紹介する第三次海外ドラマブームを牽引する作品を観ていただきたい。
なぜなら第三次海外ドラマブームの鍵はズバリ、3つの「戦略性」。ビジネスパーソンの皆さんにぴったりのテーマなのだ。それを裏付けるように今、世界中のビジネスパーソンがこぞって海外ドラマにハマっている。
特徴1. 「製作」における戦略性
第三次海外ドラマブームの1つ目の特徴は、「製作における戦略性」。『ハウス・オブ・カード 野望の階段』を製作したネット配信会社ネットフリックスは、製作の前段階から視聴者に入念なリサーチを行った。
海外ドラマをどのデバイスで観ているか、どれくらいの頻度で観ているか、新しく観るならどのような作品がいいか、誰に出演してほしいかなどを事細かにヒアリング。そのデータをもとに、1シーズン全話を一気に配信するなど、視聴者が望むドラマの形を実現しヒットを生んだ。
結果、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』はネット配信のみの視聴方法であったにもかかわらず、テレビ業界の最高峰エミー賞を獲得。まさに「製作における戦略性」の勝利である。
特徴2. 「主人公」の戦略性
2つ目の特徴は、「主人公の戦略性」。2008年のリーマンショックによる経済不況の影響を受け、したたかな「戦略性」をもった主人公が描かれるようになってきた。日本でいう『半沢直樹』ではないが、ビジネスパーソンが会社への不満、社会への不満を発散できるような倍返し主人公がドラマを彩る。
『ブラックリスト』の主人公レッドは、自分だけが握る極秘犯罪者情報を武器にFBIとの交渉を有利に進める、国際指名手配中の超A級犯罪者。FBI捜査チームの味方なのか敵なのか、戦略的な行動なのか、突発的行動なのか、相手を混乱させる。
このように、第三次海外ドラマブームの脚本では、ド派手なアクションや美男美女の登場はない。その代わり、一度は窮地に追い込まれた主人公たちが、スカッとする、意表を突く見事な戦略を見せ、ピンチをすり抜けていく。これこそ、ストレス社会で戦うビジネスパーソンたちをドラマに引き込んだ大きな要素なのである。
特徴3. 「周囲を巻き込む」戦略性
3つ目の特徴は、「周囲を巻き込む戦略性」。作品がヒットし話題を呼ぶと口コミが拡散。一般視聴者からセレブ、大統領と様々な人に情報が届くようになり、世界的影響力の高い人物が海外ドラマをこぞって観る。
この「周囲を巻き込む戦略性」こそが、第三次海外ドラマブームの最大の特徴。ビジネスパーソンはこれらの作品をチェックすることで、海外の要人やビジネスパートナーとのちょっとしたフリートークで盛り上がれるかもしれない。
今なぜ、オバマ氏やバフェット氏クラスの大物が海外ドラマに熱中しているのか。色々述べたが、その答えはドラマの中にしかない。ぜひ真相はあなた自身で体感してほしい。
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