国内線で最大の路線網を持ち、その乗客数は日本最大級となっている全日本空輸株式会社、ANA。
ANAは、イギリスのスカイトラックス社による航空界社の格付けで、現状では最高評価となる「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を受けるなど、世界に評価されています。
そんな会社で、全社員に脈々と受け継がれているのが「おせっかい文化」。この文化にANAのチームワークは支えられているそうです。
今回は、『どんな問題も「チーム」で解決する ANAの口ぐせ』という本から、チーム形成のコツを学んでいきましょう。
おせっかい文化とは
「おせっかい」というと、一般的にはマイナスのイメージがある言葉。しかし、ANAの社員はこの言葉を「一歩踏み込み、一言加える」という点でポジティブにとらえています。
当たり障りのないことだけをしていたら、人との関係を深め、信頼し合えるチームを作ることはなかなかできません。最低限必要なことから一歩踏み込んだことをし、言わなくて済むことも相手のためになるならば言う。この意識がコミュニケーションを活発にし、ANAのチームワークを強固なものにしています。
実践方法
相手の迷惑にならないような「おせっかい」と言っても、その実践方法は若干想像しにくいのでは? ここで、ANAの社員はどのように「おせっかい文化」を実行しているのかをご紹介します。
仲間にもマジックフレーズを使う
会話に取り入れることで柔らかい表現になる「恐れ入りますが」などのマジックフレーズは、お客様に対する言葉としてよく知られています。ANAでは、これを仲間同士でも使用しているそう。
話しかける際に「お忙しいところ申し訳ありません」等のワンクッションを置くだけで、コミュニケーションの心地よさは確実に上がります。同僚への敬意を忘れないことが、良いチームを築くコツとなっていそうです。
指摘するときも相手を尊重する
「間違いをどう指摘するか」は、人との関係形成において大きなポイントですよね。
ANAでは、フライト中の「すぐに」「その場で」対応しなければならないことには「今すぐこうしてください」と命令や指示をします。
その後で、指示を出した側が相手に歩み寄り、「どうしてそうしたの?」「あなたはどう思う?」と、行動の理由や意見を話す機会を持つそう。
このように相手を尊重する姿勢を見せることで、指示された側の「怒られた、失敗してしまった」という感情は軽減され、納得感を持って指摘された内容を受け入れることが可能になります。
指示を出した側にとっても、意見を聞くことで新たな改善点が見つかるなど、全体の業務効率を上げるきっかけも得られそうです。
より良いチームを作るためには、同僚を尊重し、全体を高めようとする意識を全員が共有することが大切になります。自分が仲間にどのように接しているか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか?
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