組織でリーダーを突然任されたとき、どのように振舞ったら良いか戸惑った経験がある人も多いのではないでしょうか? リーダーに必要とされる心構えが分かっていれば、スムーズに仕事を進められたかもしれません。
今回ご紹介する本『リーダーシップの旅』の、著者である野田智義氏と金井壽宏氏は、リーダーシップに必要な要素や意識すべき点は何かといった視点からリーダーシップ論を展開しています。では、具体的に見ていきましょう。
本のハイライト
「リーダーシップ」とは、リーダーとフォロワーの相互作用
リーダーシップを発揮するということは、リーダーとフォロワー(被支配者)の間にある信頼や共感など、相互作用を起こすことだそうです。
リーダーシップとマネジメントの違い
組織の上層で管理をするリーダーとマネージャーですが、その役割は混同されがちです。著者は、リーダーシップとマネジメントの違いを述べています。
1.役割が、「見える」か「見えない」か
2.組織への関わり方は、「人としての働きかけ」か「地位に基づく働きかけ」か
3.影響の仕方は、「シンクロする」か「モティベートする」か
リーダーシップとは、「リーダーとしての自分の夢」と「みんなの夢」を個人に対してシンクロさせ、相互作用を起こす役割を担うというもの。
大きな組織のリーダーであれば、マネジメントの要素である「地位に基づく働きかけ」をする場面もあるため、マネジメントの役割も担う場面も多くあります。
リーダーに求められる資質
では実際にリーダーシップを発揮するためには、どのような力が必要なのでしょうか。著者は、「構想力」「実現力」「意志力」「基軸力」の4つを挙げています。そして、そのなかでも「意志力」と「基軸力」が非常に重要な資質なのだそうです。
「意志力」とは、リーダーの内面から自分自身の背中を押すために動機付けを行う力のこと。新たな一歩を踏み出すためには、方法論だけでなく勇気が必要になります。
「基軸力」とは、不安から逃げ出さないための力のこと。一歩を踏み出すと、誰でも不安に駆られる時はあります。しかし、自分の軸を持ち続け、1つずつ確実にしていくための軸が必要です。
これらの資質を活かし、リーダーシップが適切に実践できているかを判断する基準として、フォロワー(被支配者)が自発的に仕事に取り組んでいるかどうかを確認するのが良いでしょう。そのため、リーダーは常に倫理観を持ち、自分を客観的に省みる必要があります。
不確かな道でも一歩ずつ歩み続け、旅を終えたとき、周りにフォロワーが居るという自然発生的なリーダーシップ論は、一般的なノウハウ本にはない面白みがあります。気になった方はぜひ手にとってみてください。
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