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主体性は考えることから生まれる。部下に考えさせる指導法「仮定思考」

a.s

2015/01/10(最終更新日:2015/01/10)


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主体性は考えることから生まれる。部下に考えさせる指導法「仮定思考」 1番目の画像
出典:www.pexels.com

 部下を叱らなければいけない時、人はつい自分が言いたいことを言ってしまいがち。しかし、自分が言いたいことを言ってすっきりしても、それが部下の為になる訳ではない。

人は自分で考えたことしか身につかない

 部下に改善してほしい点が多いあまりに、部下の行動に注文を付けたり、持論を延々と展開してしまったりすることはよくある。しかし、それでは本当の意味で部下が育たない。

 というのも、言っている内容は正論かもしれないが、それを上司が話し過ぎてしまっては、部下が自分で考える機会を失ってしまう。人は自分で考えたことしか、本当の意味で身につかない、つまり、主体的に考え判断できるようにはならない。そのため、部下を主体的に育てる為にも、上司は自分が言いたいことを我慢し、部下に考えさせるような叱り方をすべきである。

 では、考えさせるような叱り方とはどのようなものだろうか?

「もし……」で考えさせる「仮定思考」のススメ

 「叱る」というのは、本来相手を諭し正しい方向へ導く為に行う行為である。そのため、部下を導きながらも考えさせ、悟らせることが上司の役割となる。そこで効果的なのが、今回紹介するの「仮定思考」だ。では、「仮定思考」とはどのようなものだろうか? 詳しく見て行こう。

仮定思考の方法

 仮定思考とは事実に関係なく「もし……だったら」と条件付けして、その後の展開を考えることである。部下に仮定思考をさせると、様々な観点から客観的に物事を考えさせることが出来る。例えば、部下が仕事の納期に遅れてしまったとする。その時、「もし君がクライアントだったら、仕事が遅れて来たらどう感じる?」「もしそれでクライアントとの縁が切れてしまったらどれくらいの被害があると思う?」などである。

仮定思考を活用した方が良い理由2つ

 部下を叱る際に仮定思考を活用した方が良い理由は、大きく分けて2つある。

 1つめに、「部下が主体的に育ち、仕事の効率が上がる」ということ。上記にもあるが、多くの人は言われたことを頭では分かっていても、いざ似たような事をしようとした時、自分で考えて判断することは出来ない。それでは上司が再度叱らなければならない事態になりかねない。

 そのため、一見遠回りに見えても、自分で考えさせることが部下が主体的に行動できるようになるための近道である。部下が主体的に判断して行動できるようになれば、仕事の効率も上がり、頼れる存在になるはずだ。

 2つめに、「部下から信頼されやすい」ということ。人は、どんなに参考になる事でも一方的に押し付けられては良い気持ちがしない。むしろ、あまり話を聞きたくないと思ってしまいかねない。しかし、仮定思考を活用すると、ヒントを与えるような形で部下を主体にして話を進められる。これによって、部下は自分の考えや意見を尊重されていると感じることが出来るため、上司を信頼しやすくなるのだ。


 部下を主体的に育てたい時、上司は一方的に教え過ぎても、教えなさ過ぎてもダメである。そのバランスが難しいもので「どうしたら良いか分からない」、そう思った時こそ、是非この仮定思考を思い出して、活用してみてはどうだろうか? 

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