銀行で振込をする際、受付時間が8時半〜15時半であることを不便に思ったことはないだろうか。現在の銀行振込のシステムでは、15時半以降の振込は翌営業日に相手口座に入金される仕組みだ。
全銀協が振込時間延長を検討
15時半で振込受付が繰り越される仕組みに対し、不満の声を漏らす利用者もいる。そのような利用者の声を受けて、全国銀行協会は振込時間の延長を検討中。受付終了時間を、最低でも18時にまで延長する方針だ。
また、2018年までには24時間処理可能な新システムの導入を考えている。
顧客満足度アップを狙う
全銀協が振込受付時間の延長を検討している最大の理由は、顧客の満足度アップである。インターネットの発展によりネットショッピングが普及した今では、夜間に振込が必要な機会が増加している。現在の時代に合わない銀行振込システムに対して、利用者からは不満が高まっていた。
それを受けて、全銀協は現在使用している全銀システム(全国銀行データ通信システム)の稼働時間外に振込処理を行なう新システムを導入する予定だ。ゆくゆくは時代に合った24時間サービス導入が期待されている。
時間延長に立ちはだかる壁
利用者にとってはメリットが大きい新サービスだが、銀行側には大きな課題もあるようだ。それは「お金」と「時間」の2点。
多額のコストがかかる
現在の処理時間を18時まで、もしくは24時間対応にした場合、人件費やシステム開発費等に多額の資金を投入する必要が発生する。新システムの開発費は約50億円の見込みで、以前の全銀システムの約16分の1のコストだが、地銀等には大きな負担となることは避けられない。
揃わないメガバンクと地銀の足並み
延長時間に関しては、各銀行が同じ時間を設定する必要がある。銀行によって振込時間期限が異なれば、利用者の混乱を招きかねない。しかし現段階では、メガバンクは振込時間延長に積極的であるが、地銀はコストへの懸念もあり、両者にズレが生じている。両者の調整を行いつつ、いかに負担を削減できるかが課題だ。
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