「ポジティブ思考が良いとは聞くけれど、どうも自分には向いていないような気がする……」そんな風に感じている方もいるのでは?
メンタル・トレーニングを専門とするスポーツドクター、辻秀一氏によれば、ポジティブ思考には限界があるそう。彼は、より安定して高いパフォーマンスを生み出すために有効なのは「禅脳思考」だと言います。
ここでは、レスリングの吉田沙保里選手やフィギュアの羽生結弦選手も実践しているという禅脳思考について、辻氏の著書『禅脳思考 禅的な脳を使って最高の自分を引き出す方法』から見ていきます。
ポジティブ思考の壁
人のパフォーマンスが最大化するのは、「揺らがず」「とらわれず」の心の状態、フロー状態です。ポジティブ思考は、ときに自分に嘘をつくことになってしまうため、心を乱してしまいます。
例えば、電車に乗り遅れてしまったとき。「次の電車を待っている間に休憩できる」とポジティブに考えようとしても、心のどこかでは遅れてしまったことへの後悔や、予定がずれることへの不安があるのでは?
無理矢理ポジティブになろうとしても、心は晴れないもの。これではパフォーマンスを上げることはできません。
禅脳思考=自分自身に向かう思考
そこで、著者がオススメしているのが禅脳思考です。この基本は、「気づき」という自分自身に向かう思考となっています。
ここで言う「気づき」とは、自分が外界をどのように認知しているのか理解するということです。これは、コップに水が半分入っているのを見て、「多い」と思ったならば「自分は『半分も』水が入っている、と考えたんだな」と気づくようなことを指します。
このように、自分が物事に対してどのような感情で向き合っているのかを考えるのが禅脳思考です。外界に誘発され、行動のために思考するのではなく、
”ただ思考する
”
ことによって、刺激に対して「揺らがず」「とらわれず」の心が得られます。 自分の現状を正しく理解することで初めて、問題となっていることやその対処法も明確になるはず。あるがままに心を整える「禅脳思考」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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