あなたは部下が失敗や過ちをおかした時に、きちんと叱ることができるだろうか? 「相手を傷つけてしまうのではないか」「嫌われてしまうのではないか」といった不安から、「叱る」ことに抵抗を感じている人も少なくない。
しかし、「叱る」ことは本当に悪いことなのだろうか? もしかしたら、それは単なる思い込みかもしれない。
「叱る」ことは愛情の証
よく、「叱る」と勘違いされているものに「怒る」がある。怒ることは「自分の不快な感情を相手にぶつける」という自分のための行為である。そのため、怒られた部下は理不尽だと感じたり、戸惑いを感じたりする可能性がある。
一方で、「叱る」は「相手を諭す」という相手のための行為。これは叱る対象への愛情の証ともいえる行為だ。
部下を叱るか叱らないかで、その後の部下の成長が左右される。部下がミスをした時に上司が叱らなければ、部下はそのミスを修正するチャンスを失ってしまう。
逆に上司が叱った場合、その部下は今後同じミスをしないように意識するようになる。相手の今後を真剣に考えているからこそできる行為、それが「叱る」ということだ。
「叱ること」が求められている三つの理由
さて、ここまで「叱ること」が悪いことではなく、愛情のある行為だということを話してきた。ここからは、「叱ること」が求められている理由を三つ紹介しよう。
部下に欠点を認知させることで、成長を促すため
人は褒めるだけでは成長しない。もちろん褒めることも大切だが、褒めてばかりでは、部下は「自分は何でもできるんだ」と傲慢になってしまう可能性もある。また、部下がミスをした時に上司が叱らなければ、部下自身が「ミスをした」という事実に気が付かないかもしれない。
「叱る」ことによって、部下にミスを気付かせて修正するための機会を与えたり、部下自身の能力を高めるために危機感を抱かせることができるのだ。
上司として必要な「叱る技術」をあなた自身が身につけるため
部下がミスをしても、自分が「嫌われてしまうかもしれないから」「どう叱ったらよいのか分からない」といった理由で叱るのを避けてしまうこともあるだろう。
しかし、あなたが人を指導する立場であれば、部下の成長や仕パフォーマンスの向上を促すためにも「叱る技術」は必ず求められる。自分の上司としての能力を上げる意味でも、「言いにくいことでもきちんと相手に伝える」ことを実践してはどうだろうか。
部下を指導することで、あなたの周囲からの信頼を高めるため
上司に叱られない部下は、自分の改善すべき点が分かりづらく反省しにくい。反省すべき点が分からないために、同じミスを何度も繰り返してしまうこともあるだろう。
そんな部下を見て周りの人たちが思うのは「なぜあの人の上司は叱らないのだろう?」ということだ。これでは部下も、そして上司であるあなたまでも周りの人たちからの信頼を失いかねない。そのため、上司であれば、時には部下を叱ることも必要なのだ。
「叱る」という言葉に悪いイメージを持っていると、叱ることに罪悪感を覚えてしまいがちだ。しかし、「叱らない」ことの方が実は弊害が大きいのかもしれない。
また、「叱る」という行為は相手のことを真剣に考えているからこそできる、愛のある行為だ。そのため、「相手にどう思われるか」ということを必要以上に気にせず、真摯に向き合って叱ることが大切である。それがきっと、部下やあなた自身の成長へ繋るはずだ。
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