そのひとつがTOTOというメーカーです。TOTOの製品の「ウォシュレット」という名前は、ほとんどの方が耳にした事があるのではないでしょうか。
今回は、高いシェアを誇るTOTOのものづくりはどのように行われているのか、『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』という本から紐解いていきたいと思います。
なぜウォシュレット開発を始めたのか
そもそもウォシュレットは、痔の患者などのためにアメリカのベンチャーで開発された医療用の洗浄器でした。TOTOはこれを輸入販売していましたが、その製品には水の温度や発射の方向が定まらないなどの欠点があったそう。
TOTOは、日本人の「毎日お風呂に入る」「新しい物への抵抗が少ない」という性質から、おしりを洗う文化が受け入れられるのではないかと判断し、より良いものを提供するために開発を始めました。
TOTOのものづくり哲学
TOTOは、ウォシュレットの他にも本格的ユニットバスやシャンプードレッサーなどを生み出してきました。これらは決して生活に不可欠なものではありません。それでもこのような商品を作り上げてきたのは、「文化を作り出す」ことを目指しているからです。
単に「困った」ことを解消するだけならば、その商品は解決のための手段にしかなりません。その商品に本来どのような目的とビジョンがあり、それを表現するためにどのような技術が必要かを考え実践して、初めて新たな文化を作る事ができます。
確かに、TOTOの商品は今や私たちの生活に溶け込み、ライフスタイルに大きな影響を与えていますよね。
TOTOでは、部門の垣根を取り払って全員でアイデアを出したり、デザインを考えてから機能を入れ込む逆転の発想をしてみたりしながら開発を進めていました。このような柔軟な姿勢も、成功のカギとなっていそうです。
ここでは、TOTOウォシュレットテクノの代表である林良祐氏の著書『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』から、人々に支持されるものづくりについて見ていきました。
問題の解消だけでなく、新たに文化となるようなものを作り出す。本書から、製品づくりのアイデアを得てみてはいかがでしょうか?
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