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技術と心を鍛える8年間。『一流を育てる 秋山木工の「職人心得」』

Haruka Sato

2014/11/28(最終更新日:2014/11/28)


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出典:nos.twnsnd.co

 皆さんは、「職人」という言葉にどんなイメージを持っていますか? 技術の優れている人、頑固だけど一本筋が通っている人……その力強さに憧れる方も多いのではないでしょうか。

 迎賓館や国会議事堂、宮内庁などで使われる特注家具を作っている、秋山木工という職人の集う企業があります。その代表取締役、秋山利輝氏によれば、人柄が一流でなければ、一流の職人にはなれないということです。

 秋山木工は、その家具造りだけでなく、独自の職人育成制度も国内外で注目されている企業です。今回は、秋山氏の著書『一流を育てる 秋山木工の「職人心得」』から、数々の職人を生み出した教育制度を探っていきます。

職人心得三十箇条

 秋山木工の人材育成の基本となっているのは、「職人心得三十箇条」です。これを毎日唱和して心に落とし込むことで、自然と行動に表れ出てくるそう。

 一流の家具職人を目指す新入社員は、この心得を徹底的に学びながら、8年間におよぶ人材育成期間を通して独立できるだけの力を身につけていきます。

 ここで、その内容をいくつかご紹介します。

挨拶のできた人から現場に行かせてもらえます

 人の第一印象は、会った瞬間の挨拶で決まると秋山氏はいいます。そのため、相手も自然と笑顔で挨拶を返してくれるような、大きく、元気で明るい挨拶が職人の第一歩だということ。

 家具職人の仕事は、ものづくりでお客様に感動してもらうことです。人前で気持ちのよい挨拶ができる、ということもその一部。きちんと挨拶ができないということは、道具を持たずに仕事に行くのも同然です。

人の言う事を正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます

 お客様の望んでいる以上の物を提供するのが、一流の職人の務めというもの。そのためには、相手が望んでいる物は何なのか、正確に話を聞き、読み取らなくてはなりません。

 普段から相手を喜ばせようと意識する事で、人の話を真剣に聞くクセがついてきます。その積み重ねによって人を理解する能力が高まると、相手に「この人ならわかってくれる」という安心感を与えることにも繋がります。

感謝のできる人から現場に行かせてもらえます

 仕事は自分1人で行っているわけではありません。道具は木の命をもらって作った物ですし、周囲の人の応援が自分の支えとなっているはず。

 感謝の気持ちを持つことは、職人としての基本です。そして、感謝の言葉は口に出して初めて相手に伝わります。その言葉は温かな気持ちを生み出し、自身の人間性も高まります。全てに感謝できる人は、たくさん学び、成長できる人です。


 今回は、『一流を育てる 秋山木工の「職人心得」』という本から、一流の人格を育てるための心構えについて見ていきました。
 
 どれも決して特別な内容ではありません。しかし、礼儀や感謝、気配りなどの基本的なことをしっかり実践することで、心は確実に育っていきます。

 「できて当然」と思うようなことでも、自分がどれくらい実行できているか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

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