法務省は、早ければ2017年度に日本人を対象にした「顔認証システム」を導入することを決定しました。この導入には、東京オリンピック開催で外国人の出入国増加を予想し、空港での出入国審査をスムーズにする狙いがあります。
「顔認証システム」による効果
顔認証システムの導入で期待されているのは、「事前登録の簡略化」と「人件費削減」の2つです。
面倒な手続きがなくなる
旧方式の自動化ゲート利用時には、事前にパスポート情報・指紋情報の登録手続きが必要になります。しかし、顔認証システム導入後は、パスポートのICチップに記録された画像データで読み取るため手続は不要です。
そのため、乗客は事前に面倒な手続きを行なうことなく、本人確認をスピーディーに済ますことが可能に。飛行機搭乗のために数時間前に到着している必要がなくなるかもしれません。
人件費削減に
現在、複数の空港で旧方式の自動化ゲートが導入されていますが、係官が出入国審査を行なうことがほとんどです。顔認証システムが導入されて主流になれば、係官やそれに対応する人の人件費を削減することが可能になります。
しかし課題も
先日、5社のカメラを使用して日本人約2万3000人を対象に検証実験が行なわれ、そこで顔認証システムの持つ課題が明らかになりました。
前髪が眉毛に掛かっていたり、子供の成長等でパスポートの写真と実際の顔が変化し、読み取れないエラーが発生。実用化にはまだ改良が必要ですが、そのような誤認証は認識率の高かった2社を合計しても1%未満であったことから、顔認証システムの導入に期待が高まっています。
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