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『仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』から学ぶ質問に的確に答える4つのポイント

Manabu Kuramoto

2014/11/27(最終更新日:2020/09/25)


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「質問に上手に答えられない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。また、質問にうまく答えてくれない人に対して、頭を悩ましている人もいるでしょう。

本記事では、鈴木鋭智氏の著書『仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』から抜粋して、的確に質問に答える方法をご紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 部下の仕事の9割は「質問に答えること」
  • 質問の答え方の知っておきたい4つのポイント
  • 質問の答え方で気をつけたいその他のポイント

 

部下としての仕事の9割は「質問に答えること」

部下としての立場で仕事をする場合、仕事の内容は主に、顧客の対応・上司から受けた指示の実行・上司からフィードバックを受けることではないでしょうか。

つまり、部下の仕事の9割は上司や顧客の求める質問に答えることで占められています。

スピーチやプレゼンのような一方的に話す技術が必要になるのは、仕事の面で成長してから。

まずは、「問われた事に正しく答える」「質問の意図を正しく理解する」 といった質問に答えることを確実に行うことが重要です。

 

質問の答え方には「型」がある!知っておきたい4つのポイント

仕事の質問に答えるとき、いつも思いついたままに答えてしまっている人もいるのではないでしょうか。

ビジネスにおける答え方には「こう聞かれたら、こう答える」という決まった「型」があると、『仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』の著者鈴木鋭智氏は伝えています。

「質問の意味を理解し答える」 ことは、「相手の気持ちを考える」 といった気配りの問題とは全く異なります。

国語力がないから上手に答えられないのではなく、答えるルールを知らないから上手に質問に答えれない人が多いものです。

本記事では『仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』で紹介されている、効果的な質問の答え方の例をいくつかご紹介します。

 

1.意見を求められたら、感想は述べない

質問に答える際の1つ目のポイントは、「意見を求められたら、感想は述べない」ことです。

ビジネスマンの世界での「意見」は、議論を前に進めるために聞かれているものです。

会議の際に「何か意見ありますか」と聞かれたとき、個人的な感想を伝えるだけではなく、改善点や疑問点を伝えるようにしましょう。

与えられた議題に対して、いいか悪いかを伝えるだけでは議論が進まず、中身のない意見になるからです。

改善点や疑問点が見つからなければ、どうしていいと思ったか、どうして悪いと思ったかを考えてみましょう。

いいと思った点をさらによくしていこうとすれば、改善点は見つかります。また、悪いと思った点を少しでもよくしようとすれば、改良点が見つかります。

自分の感じた気持ちに対して、掘り下げていけば、求められている「意見」を相手に伝えられます。

★質問に答える際のポイント
◎✕:この案はとてもよいですね。素晴らしいアイデアだと思います。
◎◯:提案に賛成です。また、~を施すことで社員のモチベーションが上がると考えます。

 

2.否定語ではなく肯定語で締めくくる

質問に答える際の2つ目のポイントは、「否定語ではなく肯定語で締めくくる」ことです。

「昨日行ったお店は、ご飯は美味しかったけど周りがかなり騒がしかった」と、「昨日行ったお店は、周りがかなり騒がしかったけど、ご飯は美味しかった」だと、受け取るイメージが違うと感じる人も多いのではないでしょうか。

最初にポジティブなことを言い、後にネガティブなことを言うと、最終的に悪い印象が残ってしまいます。反対に最初に欠点を述べ、利点を述べると、いい印象が残ります。

後にいい言葉を言う「あとよし言葉」を使うことによって、自社の商品をうまくアピールできたり、相手を不快な気持ちにすることがなくなったりします。

★質問に答える際のポイント
◎✕:ごめんなさい、その日は忙しくて参加できません。
◎◯:ごめんなさい、今月は残業が続くので厳しいです。来月は参加できるので、ぜひまた誘って下さい。

 

3.結論は最初の3秒で言う

質問に答える際の3つ目のポイントは、「結論は最初の3秒で言う」ことです。

説明の方法は「時系列順」と「結論が先」の2通りあります。

物事が起こった順に話す時系列順は、流れがわかりやすいですが、ダラダラと長くなってしまいます。また、最後まで聞かないと相手の言いたいことが伝わらないことも多いのではないでしょうか。

そのため、ビジネスでは結論を先に述べるのが基本です。

結論を最初の「3秒」で、まとめていうことで、上司は話の大筋をすぐに捉えれるので、時間を削減することにも繋がります。

★質問に答える際のポイント
◎✕:試合開始15分、DFの~がファウルを取られPK。ここで1点先取され……。
◎◯:3対1で日本が勝ちました。その内2本のゴールを決めたのがFWの~で……。

 

4.凄さは「比較」で示す

質問に答える際の4つ目のポイントは、凄さは「比較」で示すことです。

自社製品のポイントを伝えたいとき、「とにかくこの製品は凄いのです」というだけでは、どのような点で優れているのかが相手に伝わりません。

優れている点を上手に伝えるためには、「他との違い」を伝える必要があります。

まずは比較対象を示し、相手との間に「相場」を共有しましょう。

比較対象と比べてどのような点でメリットがあるのかを伝えて、逆にどのような点で劣っているか、両方伝えると説得力が上がります。

「あとよし言葉」のポイントを使って、必ず先に劣った点を伝えて、後で優れた点を伝えるようにしましょう。

★質問に答える際のポイント
◎✕:電子書籍はいつでもどこでも簡単に本が買えて、気軽に読めます。
◎◯:紙の本は収納できる量が限られているのに対し、電子書籍は何千冊でも持ち歩けます。

 

質問の答え方で気をつけたいその他のポイント

上記で紹介した4つのポイントを意識することで、質問に上手に答えれるようになります。

次は、さらにわかりやすく質問に答えるためのポイントをご紹介します。

4つのポイントに加えて、その他のポイントを身に着け、一歩さらに踏み込んだ回答ができるようになりましょう。

 

事実と仮説は分けて話す

質問の答え方で気をつけたいポイントは、「事実と仮説は分けて話す」ことです。

「商品Aが商品Bよりも売れています。恐らくパッケージの問題ですかね。商品Aは去年と比べても3倍も売上が上がっています」のように、事実と仮説を混ぜて話す癖がついている人もいるのではないでしょうか。

言いたいことを言いたい順に言ってしまう人にありがちなミスです。

聞いている人は、何が事実で、何が仮説として話していることなのかことかわからなくなります。特に口頭の報告では、何度も読み返せるわけではないので、わかりやすく伝えることが大切です。

まず、事実を伝えた上で、「私の意見としては〜」と仮説であることを明示し、自分の意見を伝えましょう。

 

相手が知りたいことを端的に答える

「今日締め切りの仕事終わりそう?」という簡単な質問でも、「あの仕事だったら、だいたい終わって、今はわからないとこを確認中です」のように返答する人を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

「はい」か「いいえ」で答えられる質問に対して、何度も回りくどく曖昧に答えられて、嫌な気持ちになった人もいるでしょう。

相手から受けた質問には、簡潔に、そのまま求められている答えを伝えましょう。

また、「だいたい」のように、聞く人によって意味が変わる言葉を使わないようにしてください。

「申し訳ありませんが、まだ終わってません。8割程度終わりましたが、2点ほどわからない場所があります。今、先輩にわからないところを相談させていただいているところです」のように、まず、相手の質問に端的に答えましょう。その後に、具体的な状況を伝えると、相手の質問に上手に答えれます。

 

ネガティブな回答のときにも言い訳しない

「ネガティブなことを上司や先輩に伝えるのは、なんだか怖いしできれば避けたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。

相手に伝えにくいことを言わなければいけないとき、ついつい言い訳をしている人もいるでしょう。

しかし、ネガティブな回答のときには言い訳は禁物。言い訳をすることで、反省していないと思われたり、責任感がないと思われたりしてしまい、悪印象になってしまいます。

できなかったことや失敗したときは、素直に謝り、自分の非を認めるようにしましょう。

 

質問に上手に答えられるように意識しよう

本記事のまとめ
  • 意見を求められたら、改善点や疑問点を伝える
  • ネガティブなことを先に行ってポジティブなことを後で伝える
  • 相手の質問に端的に答える

本記事では『仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』より、上手に質問に答えるためのポイントをご紹介しました。

上手に質問に答えれないという意識がある人は、自分で気づいているためこれから意識して回答することで、上手に質問に答えられるようになるでしょう。

ぜひ本記事を参考に、相手に伝わるように的確に質問に答えるようにしてはいかがでしょうか。

また、周りに質問に答えてくれない人がいる場合は、質問に答えるポイントをアドバイスしてあげてくださいね。

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