日中関係の悪化を解消させるために実現を模索してきた日中首脳会談開催が約3年ぶりに実現されました。習近平国家主席と安倍首相がその任に就いてから初めての対談となります。
3年の時を経て実現した日中首脳会談
これまで、日中首脳会談開催の条件として中国側は「尖閣諸島に領土問題が存在していることを認めること」「靖国神社に参拝しないこと」を日本に提示していました。対し、日本は無条件での実現を譲らず、日中首脳会談は長い間実現されませんでした。
その均衡は「APEC」の開催により、中国側が折れる形で崩れました。対アジア外交で遅れをとっている中国は、アジア外交を得意とする安倍首相と会談をすることでアジア全体の信頼を取り戻そうとしたのではないかと言われています。
首脳会談の中で注目されたのは、中国が会談の条件として示していた2つの問題。
尖閣諸島に領土問題はない
日本は、これまで尖閣諸島に「領土問題は存在しない」という立場をとり続けてきました。今回の首脳会談で日本は「尖閣諸島で緊張関係が続いていることについて日中が異なる見解を有する」ことを認めました。しかし、これは領土問題が存在していることを認める発言ではなく、日本の立場は以前と変更はありません。
靖国問題参拝は継続
今回の首脳会談で、「政治的困難の克服への認識一致」については語られたものの、靖国問題について直接触れることはありませんでした。「政治的困難」の中に靖国問題も含まれているとする意見もありますが、中国の求めには応じず、強気の姿勢を示したと言えます。
25分という短時間で開催された今回の日中首脳会談で、具体的問題の解決まで踏み込む事はありませんでしたが、これを機に今後の日中関係に動きがありそうです。
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