成功する企業は、周りにも利益を与えるからこそ支持されているもの。世界で活躍している企業は、それだけ多くの人に何かしらの利益を与えているはずです。
アジアを代表する社会起業家の1人に選出された、NPO法人「TABLE FOR TWO」の代表である小暮真久氏によれば、そのような企業の特徴は「Winの累乗」を考え、「5つのC」に利益を与えていることだそう。
今回は、小暮氏の著書『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた――マッキンゼーでは気づけなかった世界を動かすビジネスモデル「Winの累乗」』から、大規模の市場で成功する会社の秘訣を見ていきます。
Winの累乗とは?
経営の世界においては、自社と取引先の両方にメリットがあるような「Win-Win」の関係を作るビジネスモデルが成功のカギとなると言われています。
このWinづくりを1対1の関係で終わらせず、共に働く仲間、顧客、社会へと広げていくことができれば、幸福感や満足感が「累乗」のように大きくなっていきます。これが「Winの累乗」です。
自社とその相手の利益だけではなく、より多くの範囲に利益を与えるモデルを描くことが持続可能な発展へ繋がるそう。
実現するための5つのC
この「Winの累乗」を実現するためには、「5つのC」を意識して、それぞれにWinを与えることが必要だということです。
1.Company(自社の従業員・一緒に働く仲間)
まずは共に働く人がWinを感じられなくてはなりません。ここで大切なのは以下の3つのことです。
・全体感を持って仕事をすること
・誰かに役立つという実感を持って仕事をすること
・自ら課題を設定し、それを解決する能力を発揮すること
自分の仕事が会社にどれだけの影響力があるのか把握し、成果を生み出していくことで仕事のやりがいを感じやすくなります。
2.Customer(消費者・顧客)
サービスの受け手にWinを与えるために有効なのが、NPOで意識される、商品に対する3段階の取り組みだそう。
知る:受け手のバックグラウンドを理解する
設計する:受け手の事情に合わせて常に調整する
届ける:仕上げを受け手自身に委ねることで、参加感を高める
この各段階で、顧客のメリットを最大限に生み出そうと取り組むことでWinを生み出すことが可能になります。
3.Community(一般社会・進出先の国や地域)
「社会的なベネフィット」を提供し、その社会全体にWinを与えることによって、自社は新たな顧客層へのアプローチをすることができます。
このためには、ニーズを汲み取りながら、何をすればより多くの人が幸せになれるかをコミュニティと一緒に考えることが必要になります。
さらに、ニーズに中長期的な視点を入れることで双方のWinに持続性を持たせることができます。
4.Contributor(出資者)
各企業のCSRが注目されつつある今日では、「環境に優しい製品を作っている」「社会貢献に力を入れている」ということが十分に出資の理由になり得ます。
このような出資者にWinを感じさせるためには、以下の2点が大切です。
・成果測定を行い、目に見える形で結果を提示する
・「この団体を応援したい」と思わせるブランド作りをする
5.Cooperator(提携・協業者)
使える資金が限られているNPOでは、全てを自分たちだけでやろうとせず、他者との協業に積極的になりやすいそう。
企業においても、規模の拡大のみにこだわらず他者と連携することで、Winの累乗を生み出すことができ、結果として事業拡大が可能となります。
今回は、より広い範囲での利益を生み出しつつ成功するという「Winの累乗」と「5つのC」についてご紹介しました。
あなたの会社ではどのくらいの範囲にWinを与えることができているのか、一度考えてみてはいかがでしょう。
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