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『心配事の9割は起こらない』 余計な不安や悩みを抱えないための禅の教え

Manabu Kuramoto

2014/11/19(最終更新日:2014/11/19)


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『心配事の9割は起こらない』 余計な不安や悩みを抱えないための禅の教え 1番目の画像

 皆さんは今、何か心配事を抱えていますか? 日々の生活の中で、まったく不安や悩みが無いという方は少ないと思います。心配事と一口に言っても、その内容は非常に多岐にわたるでしょう。しかし、そういったものの大半は、他人と比べていることから来るものではないでしょうか?

 『心配事の9割は怒らない』によると、客観的に見ればなんでもないことに人は振り回されていることが多いそうです。ここでは、私たちの頭に浮かぶ「妄想」に焦点を当てて、心に余裕を持つ方法をご紹介します。

心をとらえて離さないものは、すべて「妄想」

「莫妄想(まくもうぞう)」という禅語がある。意味は「妄想することなかれ」という意味だ。

出典:枡野俊明 (2013) 『心配事の9割は起こらない』

 妄想と聞くと、「ありもしないことを、あれこれ想像すること」だと思うかもしれません。しかし、禅でいう妄想はそれよりも広くて深い意味を含んでいます。もしも皆さんの心の中に「あれが欲しい」、「他人がうらやましい」、「自分はダメだ」といった思いがあれば、それらは禅の意味で「妄想」です。つまり、物欲や執着など、心に棲みついて離れないものはすべて「妄想」となります。

 もちろん、私たちは妄想なしに生きることはできませんが、それをどのくらい減らせるかが重要となります。そのために必要となるのは、妄想の「正体」を見極めることです。

誰もが、比較できない「絶対」の存在

比べようがないものを比べようとするから、余計なことや無駄なことがまとわりついてしまい、不安や悩み、心配事が増えるのだ。

出典:枡野俊明 (2013) 『心配事の9割は起こらない』

 妄想の正体とはなんでしょう? 実はそれは「勝・負」、「美・醜」、「貧・富」といった、物事を「対立的」に捉える考え方です。他人をうらやましく思う気持ちや自分自身を嘆く思い、これらが私たちの心を囚われてしまいます。

 しかし、禅の教えにもあるように、どんな人も他とは比べようがない「絶対」の存在です。自己と他者、お互いは決して比較できる存在ではありません。比較することをやめれば、心がずっと軽くなり、妄想の9割は消えてなくなります。結果として、生きることがずっとラクになるでしょう。


 もし、心が妄想に囚われそうになったときには、「妄想することなかれ」という意味の「莫妄想(まくもうぞう)」という言葉を思い出してみてはいかがでしょうか? 周りと比較することをやめることで心に余裕が生まれ、今よりも自分に自信を持つことができるかもしれません。




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