HOMECareer Runners 自己分析は社会人こそ必要! ナンバーワン営業マンが教える、常にベストを発揮できる方法

自己分析は社会人こそ必要! ナンバーワン営業マンが教える、常にベストを発揮できる方法

坂本茉里恵

2014/12/17(最終更新日:2014/12/17)


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自己分析は社会人こそ必要! ナンバーワン営業マンが教える、常にベストを発揮できる方法 1番目の画像

 
 営業の仕事をしていて、なかなか成果が出ないと悩んでいるあなた。ひょっとしたらそれは、仕事のやり方が間違っているかもしれない。でも、それまでの仕事のやり方を変えるのは意外と難しいもの。

 そこで、それまでの自分の仕事のスタイルを180度変えて、「常にベストな自分になることで、社内ナンバーワン営業マンとなった矢内崇樹さんにお話をうかがった。

 矢内さんは一時期、早朝から深夜まで仕事をしていたのにもかかわらず成果が出ない、という状況を経験。そこから仕事のやり方をガラッと変えたことで、勤務時間を短縮した上で、社内ナンバーワンの実績を挙げることに成功したそうだ。


――営業の仕事は、自分に向いていると思っていましたか?

 
 学生時代、所属しているゼミでゼミ長を務めていました。ゼミ長としてゼミ生をバックアップし、誰もが平等に輝けるように持ち上げることが得意だったので、これは営業の仕事でも活かせると思っていました。

 営業の仕事には社会人として普遍的なものがあると思っていたので、「最初に経験するなら営業だ」と考えていました。


――実際に営業の仕事をしてみて、「自分の能力が生かせている」と感じたこと、また「こういう力も営業には必要だ」と感じたものはありますか?


 学生時代の経験から、自分には空気を読む力があり、また人当たりがよい方だと思っていましたので、営業の仕事は楽しそうだなと感じていました。

 ただ、営業の仕事をしていて大切だと思ったのは、自分の個性をどんどん押し出していくこと。全てに対して誠実で礼儀正しいだけではダメなんだと感じました。時には、お客様にもっと踏み込むことが大事な場合もあるんです。

 受け身だけでもダメですし、時には一歩踏み込まなければいけない。そういったアクションを今まで起こしてこなかったので、相手の雰囲気とか出方などを見て柔軟に対応することがすごく大事だと感じました。



――矢内さんは受注件数・金額の項目で、社内ナンバーワンを達成されたそうですが、その要因は何だと考えていますか?


 徹底的に自己分析を行ったからだと考えています。実は社内1位になる直前、営業がなかなか上手くいかず、実績の数字が全く伸びなかった時期がありました。その時に「なぜ自分はこういう状況に陥ってしまったのか」と、自己分析をひたすら行ったんです。

 例えば、自分はどういうトークスキルを使っている時がよい成績だったのか。モチベーションが上下する要因は何なのか。こういった要素を分析したことで自己管理がかなりできるようになりました。営業の仕事には波があるので、その要因を理解できれば、落ち込みのスパンを短くすることができます。

 スキルも大事ですが、営業の仕事では気持ちの面がすごく大事だと思うんです。常にベストのパフォーマンスができる状態にして、それを継続させる。そのためにはまず自分をしっかり知ることが一番だと感じています。

 また、その自己分析を元に、思いきって仕事のやり方をがらっと変えました。時には180度変えたこともあります。でも、今まで自分が駄目だと思っていたことも受け入れてやってみたら、かなり実績が伸びたんです。それが、全営業所の中でナンバーワンの成績をおさめることに繋がりました。


――具体的に、何をどのように変えたのですか?


 まずは、自分が今までよいと思っていたことを全て変えました。例えば、以前は「営業は根性論だ」と思っていました。だから朝の7時過ぎに出社し、夜は22時~23時まで残業していたんです。

 それを、8時過ぎに出勤、帰社も大体19時頃に変更。それまでの自分は「こんなことをしたら、絶対時間が足りない!」と思っていたのですが、そこをあえて縮めました。

 最初は抵抗がありましたが、それによって考え方がシフトしました。それまでの「時間がたくさんあるからもっとやっていこう」から、「短い時間でいかに収めるかを考えよう」に変わったんです


――短い時間で効率よく成績を上げるために、何か工夫されたことはありますか?


 自分の中で3つ決めたことがあります。「決めて、信じて、楽に」です。

 「決めて」は納期のようなものです。今月内に何件獲得する、といった部分をより明確に端的にして、目標をしっかり掲げました。そしてそれを自分の中に落とし込みます。そして「達成できればいいな」ではなく「達成するんだ」という気持ちにしました。
 
 「信じて」とは、自分の抱えている見込み客を信じきることです。「自分が今見ているお客さんの中に、制約できるお客さんが絶対いる!」と。そして、そこから絶対に1件引っ張り出そうと決め、成約へと繋げる。自分の心をコントロールして、「今やっているやり方は間違っていない」と貫くことが大切です。

 そして「楽に」。先ほど言ったような強い思い入れを持っていると、商談やプレゼンの場では結構緊張してしまうんですよ。そこでいかに楽になれるか、リラックスして飛び込めるかが重要です。

 営業職にまつわるスキルは色々あると思いますが、1番大事なのは自分をコントロールすること」だと感じています。



――「お客様に対して踏み込むこと」が大切とのことですが、相手に対して踏み込む場合、どんなことに注意していますか?

 
 気をつけている事は2つあります。1つは「アンサー&クエスチョン」。普通は、こちらが質問してお客様が答える「クエスチョン&アンサー」ですよね。

 ですが私は営業の際、お客様に聞かれた質問に答えてから、こちらの質問を被せるようにしています。相手の答えに対して、何か1つでいいので「それはこういうことですよね」「こんなことをされているんですね」など、深堀りしていくための質問を投げ掛けることで、お客様もより答えてくれるようになります。

 そうやって会話を弾ませることで、お客さんをどんどん引き出して、自分もどんどん突っ込みやすくなる状態を作っていきます。そして、そこから2つ目の「AKY(=あえて空気を読まない)」をするんです。

 「アンサー&クエスチョン」で会話をしていると、お客様に対して一歩踏み込んだ言動をとれるんですよ。例えば「この頃までにお返事いただけますか?」とか。そうすると、こちらが主導権を握れるというか、提案を聞いてくださる状態をつくれる。

 でも「この頃までにお返事いただけますか?」っていうのは、普通に考えると結構失礼な言い方なんですよ。だから、躊躇してしまう方も多いと思うんですよね。そこを、あえて空気を読まないで一歩踏み込むんです。。これをするには、先ほどの「アンサー&クエスチョン」で下地を作っておくことが必要です。


――矢内さん独自の営業方法はありますか?


 営業は基本的に全て人に合わせるので、自分のスタイルに固執させずに、柔軟に対応するのがよいと思います。だから、いかに自分を崩すかを意識していますね。お客様の雰囲気を素早く察知して、少しくだけた話し方を取り入れ、世間話をするなど工夫することもあります。

 とは言っても、最初からお客様を見極めて途中からスタイルを変えるのではありません。反対に、「私はこういうキャラクターです」と、お客様にイメージを持たせるところから始めます。

 お客様とは電話である程度話はしていますし、あとは会社について情報を調べる中で「そういうお客さんならば、こういう自分で行こう」とイメージを固めていきます。

 あとは、自分の個性を主張するために、少し変わった色合いのスーツやシャツを着ることもあります。そういう風にして、とにかく自分の人となりを見てもらおうと思っています。もちろん、清潔感や常識はわきまえた上で、ですよ。

 

矢内崇樹(やない・たかき)さん プロフィール

1989年生まれ。大学卒業後、法人に対して電力コスト削減のコンサルティング事業を行うGRコンサルティングに入社。主に中小・零細企業に対してテレアポや提案営業などを行う。2013年度の第1四半期(4~6月)と第4四半期(2014年1月~3月)にナンバーワンを獲得。特に第4四半期には売上獲得件数・売上高ともにトップの成績を収めた。

2014年4月からは、大手企業に対して電力の契約メニューの変更プラン提案する事業に携わっている。

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