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引っ張るだけがリーダーじゃない。支援型リーダー「サーバントリーダーシップ」という考え方

Rio

2014/11/08(最終更新日:2014/11/08)


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 皆さんはリーダーシップという言葉を聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか? "周囲の人々を巻き込みながら引っ張っていく"といったイメージを持たれる方も多いかもしれません。

 しかし、上記のようないわゆるリーダー的性格ではなく、陰で他人を支える方が性に合っているという方も多いはず。また、リーダーシップなんて自分には関係ないと思っている方もいるかと思います。そんな方におすすめしたいのが、「サーバントリーダーシップ」という考え方。

 では、サーバントリーダーシップとはどのような考え方なのでしょうか?

サーバントリーダーシップとは......?

 サーバントリーダーシップとは簡単に言うと、いわゆる牽引型のリーダーシップではなく、目標に向かって邁進する部下や仲間を支援するリーダーシップのこと。管理・命令といった上からのベクトルで指導する従来のリーダーシップの考え方とは異なり、相手に対する思いやりや奉仕の精神を常に念頭に置くことが特徴です。

 リーダーがメンバーに対して奉仕の精神を持つと言うと、若干の違和感を感じるかもしれません。しかし、奉仕の精神を持ってリーダーがメンバーの話をじっくり聞き、信頼を得てからメンバーを導くことで、メンバーのやる気を損ねることなく成長させることが出来ます。

 また、サーバントリーダーシップを用いることで、上司が部下を支配するのではなく、メンバー一人一人が能動的にチームを導くという構造になり、より目標達成がしやすくなります。

なぜ今サーバントリーダーシップなのか......?

 過去のような市場が拡大を続けるビジネス環境であれば、いかにして成果を上げれば良いかが比較的明確でした。そのため、当時は坂本竜馬や織田信長のような牽引型のリーダーが、メンバーに対して指示や命令をしつつ管理していれば結果を出せました。

 しかし、現代のように成熟したビジネス環境においては、何をすれば成果が上がるのかが不明確なため、ビジネスモデルの確立そのものが難しいです。さらに、変化し続ける環境の中では過去の成功例は通用しません。しかし、サーバントリーダーであれば、メンバーの話に耳を傾け、メンバーと一緒に方向性を考えていくことが出来ます。

 また、常にビジネスの環境が変化する現代では、メンバーが単に指示に従って動いているだけではチームが成果をおさめることはなかなか難しいもの。メンバー一人一人が主体的にチームにコミットしていく必要があります。そのため、メンバーを動機づけ、活躍しやすい環境を作ることが出来るサーバントリーダーが必要とされているという訳です。

サーバントリーダーの特徴

 日本サーバント・リーダーシップ協会によると、サーバントリーダーには主に10の特徴があるようです。

傾聴

 メンバーの考えていることを知るためには、まずは自分が話を聞く立場になることが大切です。その上で、どうすればメンバーの役に立てるかを考えます。

共感

 メンバーの立場に立って考えること。リーダーという立場にあると、メンバーの気持ちを忘れてしまいがちですが、人は不完全であるということを忘れずに受け入れる姿勢を忘れないよう注意が必要です。

癒し

 チームでの活動は上手くいかないことも多々あります。そんな時もメンバーを元気づけ、「また頑張ろう」と思える気持ちづくりが大切です。 

気付き

 物事をありのままに見ることができ、メンバーが見えていない部分を補い、メンバーに気付きを与えることができることもサーバントリーダーの条件の1つです。

納得

 メンバーに対して強制的に働きかけるのではなく、お互いが対等な立場で納得し合える環境作りを目指すべきです。

概念化

 チームで動いているとチーム全体の目標が不明瞭になりがちです。目指すべき目標を常に忘れぬよう、ビジョンをメンバーと共有する必要があります。

先見力

 チームの状況を俯瞰して見られるのはリーダーならでは。過去と現在を照らし合わせ、将来の出来事を予測出来る力も必要です。

執事役

 サーバントリーダーの意義は、あくまでもメンバーが成果を出せる環境や仕組みを作ること。ゆえに、自分の利益よりもメンバーの利益を優先させ、一歩引いた視点でチームを見ることが大切です。

人々の成長への関与

 メンバーの成長に深く関与でき、潜在的な能力や可能性に気付いてあげられることもリーダーの醍醐味です。

コミュニティづくり

 支配的なリーダーのもとでは、良いコミュニティは生まれません。サーバントリーダーのいる、愛情と癒しに満ちたコミュニティはメンバーの成長とチームの大きな成果に繋がります。


 従来のリーダーシップのイメージとは180度異なる新しいリーダーシップの考え方、サーバントリーダーシップ。積極的に人前に出ていくような性格でなかったり、自分にはリーダーシップがないと思っていたりする方でも、サーバントリーダーシップの考え方であれば取り入れられるのではないでしょうか?

  ビジネスパーソンであれば、組織や集団の中でメンバーを引っ張っていかなければならない局面は存在します。そんな時、サーバントリーダーシップの考え方を知っておけば、きっと役に立つことがあるはずです。

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