仕事でもプライベートでも、何か一つ嫌なことがあると様々なことが上手くいかなくなって、前向きな気持ちを持てなくなってしまうこともありますよね。上手くいかないことが続くと、自分にも自信が持てなくなり、ますます悪循環に陥ってしまいます。
そんな悪循環から一刻も早く抜け出すためにお勧めしたいのが、「レジリエンス」という考え方。
レジリエンスって何?
レジリエンスとは簡単に言うと、逆境力や抵抗力とも訳される言葉で、逆境や困難に対するたくましさのこと。高いレジリエンスを身につけることで、ストレスが大きくかかるような変化が多い状況に対しても柔軟に対応し、失敗や困難を乗り越え、成功へと導くことが出来ます。
レジリエンスは元々、幼児や青少年を対象とする臨床精神医学の領域で研究されていた概念です。現在では、企業のメンタルヘルス対策として人材育成の分野でも取り入れられており、レジリエンスを鍛えるトレーニングが世界中で注目を集めています。打たれ強さは生来的なものですが、打たれ弱くとも立ち直りの早さをトレーニングで身につけることは可能です。
欧米ではゴールドマン・サックスを始めとする一流企業で取り入れられており、エリートたちはIQや学歴よりもレジリエンスを重視しているそうです。
なぜ現代のビジネスパーソンにレジリエンスが必要なのか?
東日本大震災以降、メディアなどを通じてレジリエンスという言葉を耳にするようになった方も多いかもしれません。実際に、安倍内閣では震災の早期復興や自然災害に対する強靭な国土作りを目指す「国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)計画」を推進しています。
昨今は東日本大震災だけでなく、リーマンショックやユーロ債務危機など、世界的に想定外の危機が次々に顕在化してきています。また、急速なグローバル化に伴い国籍を超えて活躍出来る人材が必要となり、英語力やビジネススキルだけでなく、変化に対応する力が重要となってきています。このように、組織にも個人にも予測できない事態や環境の変化に対して、動じることなくしなやかに対応出来る力が求められていると言えるでしょう。
また、個人のキャリアの多様化も理由の一つとして挙げられます。今ある仕事が10年後にもあるという確証がない現代では、長期のキャリアプランを立てることが非常に困難です。それゆえ、他人任せではなく自分で自分のキャリアを切り開いていくために、失敗に対して恐れず逆境に立ち向かう力、すなわちレジリエンスが必要とされているという訳です。
レジリエンスを鍛えるためにあなたが出来ること
先ほども触れましたが、打たれ弱くても立ち直りの早さは鍛えることが可能です。レジリエンスは決して失敗を避けるためのものではありません。あくまでも失敗や挫折をした時の感情のコントロールです。失敗しても自信を失わず、失敗を恐れずに前へ進んで成長し続けていくために、簡単なトレーニングでレジリエンスを身につけてみてはいかがでしょうか?
感情を客観的に分析する
失敗した後に落ち込んでしまうのは仕方ないですが、そのままにせず、客観的に分析してみましょう。ネガティブな感情は見える形にすることで対処しやすくなります。
例えば、「なんとなく不安」という感情になったのなら、"なぜ自分が今不安を抱いているのか"というところまで考えてみてください。感情を「見える化」することで自分のネガティブ感情の根本がわかると同時に、冷静になることができるため、今後自分が取るべき行動の方向性を明らかにすることが出来ます。
感情を発散させる
ネガティブな感情は自然と起こるものなので、減らすことはなかなか難しいです。また、ネガティブな感情を発散させず溜め込んでしまうと、さらにストレスになってしまいますね。
そこで、大切なのは"ネガティブな感情をいかにして晴らすか"、ということです。そのために有効なのが「エクササイズ」「音楽鑑賞」「ライティング」「ヨガ・瞑想」の4つだと言われています。
特に音楽鑑賞は快感ホルモンであるドーパミンを適度に生成することができ、幸福感を生み出すことができます。また、書くという行為にはセラピー効果があり、感情の鎮静化効果が期待出来るそう。アメリカでは「ジャーナル・ライティング・セラピー」と言われ、広く普及しています。
人生の節目に立たされ、決断を迫られた時、不安や重圧を感じてなかなか前に踏み出せない人も多いことと思います。それは、踏み出してから失敗して傷付いて、立ち直れなくなることが怖いからではないでしょうか?
たとえ失敗しても、すぐに立ち直ることが可能なレジリエンスを身につけておけば、安心してチャレンジすることが出来ますよね。自分のキャリアの選択肢や可能性を狭めないためにも、レジリエンスを身につけてみてはいかがでしょうか?
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