あの出来事がなければ今の自分は無かった。振り返ると過去にそういった出来事はありませんか? 予想できないような成功(もしくは失敗)経験、どう考えても偶然とは思えないような出来事。そういった“運命”のような出来事は様々な成功者のストーリーの中でも良く取り上げられます。
今回ご紹介する『成功は“ランダム”にやってくる!』という本は、こうした偶然や運を取り入れ、成功するための方法が解説されています。
クリック・モーメントが成功を生み出す
クリック・モーメントというのは、何気なく見聞きし、感じた事から起こる突然の「ひらめき」のようなもの。論理的に考えても生まれないアイデアがクリック・モーメントからは生まれてくるそうです。
意識をそらして意図的にクリック・モーメントを起こす
人間は一つのことを意識してしまうと、周りが見えなくなってしまうものです。クリック・モーメントを意図的に起こすためにも意識をそらす必要があります。
具体的な方法として、自分の専門領域に集中するのではなく他の分野にも興味を持つことが挙げられます。交わらないようなものでも、あえて交えて考えてみるようにします。例えば、経済学と心理学というようなもともと交わっていなかった学問を組み合わせたことで行動経済学が生まれたこと。
行動経済学が生まれたことで、消費者の行動をより深く理解したマーケティングを行えるようになりました。このように、専門領域を常識や慣習に従って追求するだけでなく、他領域にまで目を向けることでクリックモーメントを意図的に作り出せるようになることがわかりました。
リスクを最小にし、賭け続ける
クリック・モーメントはチャンスのきっかけにはなりますが、そこで行動を起こさなければ成功はできません。しかし、クリック・モーメントという非論理的な状況が訪れた時、計画立てて行動するのは難しいでしょう。そのため、筆者は「賭ける」という意識で行動するべきだと述べています。
「賭ける」というのは一攫千金を狙うギャンブルのような意識を持つのではなく、興味を持ったことに対して、とりあえずやってみようと行動することを指します。
何かを始めるとき、多くの方は最初に計画を立ててから始めると思いますが、あえて計画を立てずに行動に移すようにします。しかし、計画せず行動で「賭ける」ことにはリスクが付きもの。そのリスクを最小限に抑えるために、小さく何度も賭けることが重要と著者は述べています。
そして、小さく色々なことに行動しながら少しでも「うまく行きそう」と感じたなら、そこに労力を大きく費やすようにします。確信は無くとも、成功を予感しているならば自分の持てる限りの労力を費やすことで成功する確率が増大するでしょう。
著者によると、成功はランダムに起きるという偶然性を受け入れることが大切なのだそうです。そして、偶然を受け入れられる広い視点を持つことで意図的にクリック・モーメントが起こせるようになります。あくまで、クリック・モーメントは成功のためのチャンスに過ぎません。そのチャンスに対して、どのように働きかけるかが最終的に成功に導くために重要です。
本書は、クリック・モーメントによって成功したIT企業、テレビ番組、ゲームソフトなどの事例を用いて詳しく説明しています。さらに深く知りたい方は、ぜひ手に取ってみては?
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