少子高齢化や所得格差、原発など、現状だけでも私たちの住んでいる日本が抱えている問題は、数多く存在しています。たとえ、今あるこれらの問題に目をつぶったとしても、いつかは向き合わなくてはならないときがくるでしょう。そう考えると、日本の未来は決して楽観できるものではありません。
そのような現状の中、エコノミストの中原圭介氏が世界の実情を踏まえた上で、2025年という未来の世界を予測していました。ここではその著書『2025年の世界予測』から、現在置かれている世界の現状やこれから訪れるであろう先進国の未来について紹介していきます。
21世紀の実情:格差拡大
こういった動きの中で、新興国は比較的賃金の高い製造業を中心に、先進国から奪うことで雇用を獲得しています。これにより、新興国でも富裕層が誕生していますが、国内で格差に広がりが。
一方、先進国では新興国に雇用を奪われる中、一握りの富裕層がますます豊かになっており、中間層の没落という現象が起きています。
こうした格差の拡大は、石油・天然ガスの値段高騰や金融資本主義などによってもたらされていますが、その最も極端な例がアメリカです。なんと、人口の1/3が貧困層もしくは貧困層予備軍に転落しています。
世界全体で限られている中間層の数を、先進国と新興国で奪い合っているのが21世紀の実情と言えるでしょう。
エネルギー価格の低下が問題の解決に
歴史を振り返ると、デフレになるか、インフレになるかはエネルギー価格に大きく左右されてきました。そして今も、先進国でエネルギー価格が主因となって物価が変動しています。食品・工業製品づくりにおいてエネルギーが大量に消費されているためです。
世界全体の石油需要のピークも近い今、エネルギー問題も未来にかけて避けて通れない重要な問題ですよね。
そんな中で実は、アメリカで起こっているエネルギー革命が多くの経済問題を解決していける可能性を示しています。それが、アメリカのシェール革命。この革命が近年、猛烈な勢いで進行しており、エネルギー供給量は飛躍的に増えています。
世界の未来はどう変わる?
エネルギー価格が下がってくれば、国民の生活コストは下がり、人々の暮らしはよくなっていきます。もし、ガソリン代や食料価格など様々なモノの物価が下がれば、日本を含めた先進国の人々の暮らしは今よりずっと楽になるでしょう。
また、日本国内に製造業が帰ってきて、人々の職場が増えていくとのこと。デフレが進んでいくため賃金は上がりませんが、格差拡大に歯止めがかかることも期待できそうです。
いかがでしたでしょうか? 経済だけでなく、エネルギーの観点から見ても世界全体の石油需要のピークが近い今、アメリカのエネルギー革命には大いに期待したいところですね。他にもこの著書では、日本の経済や生活の変化、そして2025年までの勝ち組産業について具体的に述べられています。気になった方は、一度手に取ってみては?
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