スピードが最も重視される現代のグローバル社会。そんな時代の中、ミーティングや会議でスピーディーな意思決定を行うためにも情報収集が欠かせませんよね? ただ、時間に限りがある以上、いつまでも正確な情報を探してばかりだといつまで経っても行動に移れません。また、なかなか方向性が決まらないことで組織もストレスを抱えてしまうことでしょう。
経営陣から一般社員まで情報を集めるのに熱心な中、優秀なコンサルタントは問題発見や解決策の素早いヒラメキのため、共通して「仮説思考」から始めています。それは一体どのような考え方なのでしょうか?
ここでは、ボストンコンサルティンググループ(以下BCG)で活躍した著者自らの実践経験から、問題発見・解決の発想法を説いた『仮説思考』という本を紹介します。
本のハイライト
<要約提供:flier(フライヤー):本の要約サイト>
仮説思考とは?
「仮説思考」とは、情報が少ない段階から常に全体像や結論を考えるスタイルのこと。このスタイルは、「作業をしていれば、自ずと答えが見つかるはず」という考えとは真逆のもの。具体的には、情報収集や分析作業を行う前に「仮の答え」をもって問題発見や解決に臨んでいく思考法です。
仮説思考を用いれば、手元にあるわずかな情報から仮説の全体構成を創ることができます。
ストーリーを描いてみよう
まずは、証拠が揃っていなかったとしても問題の解決策・戦略といった全体のストーリー(=仮説)を作ってしまいましょう。自分のストーリーを作ってしまえば、それを検証するために必要な証拠を集めるだけでよいので、無駄な情報収集をしなくなるなど作業が激減します。
中には、「大きな1つの仮説を立ててしまうことで、重大な点を見逃したまま間違った方向に進むという恐れもあるのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、そのような場合は、証拠集めの段階でその仮説を肯定する証拠が見つからないので、すぐに方向修正が可能です。
仮説を立案するために
経営コンサルタントである著者が勤めていたBCGの社内でのアンケート結果では、仮説の立て方には定石はないとのことでしたが、実はヒラメキを生むためのコツについて著者は紹介しています。今回はそのうちの1つの方法を挙げました。その方法とは反対側から見るということ。例として以下の3点が挙げられます。
①顧客視点(一人のユーザーになりきる)
②現場視点(具体的な事実の体験・観察)
③競争相手視点(競合から見て自社をどう見ているか)
これらの視点から脳にゆさぶりをかけてみましょう。また、仮説思考をトレーニングできる方法もあるようです。それは、日ごろから「So What?(だから何?)」と考え続け、「Why?(なぜ?)」を繰り返すこと。
これらを日常的に行うことで、仮説を立てる思考力も磨かれていくことでしょう。
いかがでしたでしょうか? 少ない情報から答えを予想するというのはなかなか難しいかもしれません。しかし、失敗を恐れず繰り返し行うことで、問題の全体像を素早く掴む技術が高められるのではないでしょうか?
著書では他にも、「化粧品の売上げ打開策」のようなビジネスでの現場で遭遇する実際の事例を数多く紹介しているため、気になった方は一度お手に取ってみては?
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