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夢だけじゃない、ディズニーには仕事のヒントがたくさん溢れている『ディズニーの最強マニュアル』

Yudai Imamura

2014/10/16(最終更新日:2014/10/16)


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出典:picjumbo.com
 日本が世界に誇るテーマパーク、東京ディズニーリゾート。ディズニーといえば、「キャスト」と呼ばれるスタッフのホスピタリティ溢れる接客が有名ですよね。このような接客は、 ただマニュアル通りに行動するだけでは不可能。ディズニーを運営している株式会社オリエンタルランドでは、 企業の理念に基づいた行動をして初めて、「夢の国」にふさわしい接客ができるのだとしています。

 では、理念に基づいた行動を社員に実践させるためにはどうすればいいのでしょう? 今回は、オリエンタルランドで20年間人材育成に携わってきた大住 力氏の著書 『ディズニーの最強マニュアル』から、ディズニーが実践している理念教育の仕組みをお教えします。

マニュアルにない仕事が”最強”

 ディズニーの理念は 「GIVE HAPPINESS(幸せを提供すること)」。この理念を実践するための仕事に正解はなく、 それを探求し続けていくことが仕事だ、と著者は言っています。ディズニーのキャストが優れているとされる理由は、この理念に対する 共通認識があり、それをベースにどこへ向かって何をすべきかという 目的手段が明確で、あらゆるシチュエーションにおいても臨機応変な対応ができるからなのだとか。このディズニーの理念を100%実践できている仕事の1つとして、著者は 「100メートル先の京葉線の乗客に手を振る護衛キャスト」を挙げています。

 護衛が100メートル先の京葉線に向かって手を振るなどという行為は、 本来マニュアルには書いていなかったもの。それをたまたま実行したキャストの「自分が手を振ったら、向こうも手を振ってくれた」という経験からポジティブな感情を抱き、他のキャストとシェアしていったことで、そのアクションが自然と広まり、いつのまにかスタンダードになっていったのだそうです。

 このように、 マニュアルには載っていない仕事こそがディズニーにおける”本当の仕事”。「GIVE HAPPINESS」という理念に基づいた行動を実践した結果、お客様に幸せを届ける新たなスタンダードを生み出したのです。マニュアル通りの仕事をこなすのではなく、 「どうしたらお客様に幸せを届けられるか」を常に探り続ける姿勢が、理念を実践する秘訣のようですね。

理念を実践する、ディズニーの組織づくり

 組織を構成する人員について、「組織は優秀な人が2割、普通の人が6割、パッとしない人が2割」という話は有名なようです。しかしディズニーでは、新人・ベテランにかかわらず 「スタンダード以上を10割とする」組織づくりが徹底しています。それは、誰が行っても同じ結果となるマニュアルを浸透させているから。このようなマニュアル作りのポイントは、 「みんなの常識」として浸透するよう、料理のレシピ本のように 「内容×順序」を細やかに記載すること、だそうです。

 また、ディズニーの数ある人材育成システムの中でも、高い効果発揮しているものの1つが 「ブラザーシステム」。「なんだ、それならうちでもやってるよ」と思った人もいることでしょう。しかし、ディズニーのブラザーシステムが他と異なるのは、 その関係性に期限がないこと。上司でも親友でもない、先輩と後輩同士の”ナナメの関係”がすっと続くのです。

 この制度のメリットは単なる新人の教育のみならず、組織をダメにしがち、とされている 中間層ビジネスマンの中だるみを抑える働きもあるのだとか。もともとディズニーの経営哲学の中では、 仕事とプライベートの時間が分けられていません。仕事のON/OFFを通してブラザー同士が密な関係を築く中で、中間層は常に後輩にその背中を見られることとなり、結果 優秀な人材が育つそうですよ。




 企業にはそれぞれの理念が存在すると思いますが、それを社員に実践させる、というのは簡単なことではありません。だからこそ、キャスト1人ひとりが自ら考え、理念を実行に移しているディズニーの組織づくりが評価されているのでしょう。著者は、ディズニーの組織づくりには特別なことはない、と言っています。あなたも社員に理念を徹底させるための仕組みを、ディズニーから学んでみては?



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