HOMEイベント 【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー

【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー

野口直希

2014/11/08(最終更新日:2014/11/08)


このエントリーをはてなブックマークに追加

【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー 1番目の画像

 スタートアップとして新しい道を切り開きたいのなら、多くの困難を乗り越えなければいけません。立ちふさがる壁に戸惑う起業家、あるいはスタートアップにジョインしたいが躊躇している人のために、2014年9月に開催されたのが「サーキュレーター・サミット2014」です。今、最もアツい起業家が集結し、スタートアップの心構えと強力なアドバイスを送ってくれました。

 スタートアップで大きな問題になるのが、共に働く仲間の集め方です。創業時に頼れる仲間はどうやって見つけるのか、組織が大きくなった時に創業メンバーとそれ以降のメンバーの意識の違いをどう埋めるのかなど、悩みのタネはいくらでもあります。採用を考える起業家とスタートアップで働きたいと考える人のどちらにも読んでほしい、「スタートアップで戦うことの意味」が語られています。

前編

スピーカー

前田佳宏 Distty株式会社 代表取締役CEO
溝口勇児 株式会社FiNC 代表取締役CEO
山下智弘 株式会社リノベる 代表取締役社長
田口弦矢 人材コンサルタント
三木寛文 事業開発コンサルタント

モデレーター

森木恭平 株式会社サーキュレーション

見出し一覧

急成長しても、採用だけは焦るな
採用なんてナンパみたいなもの
苦しい時でも逃げ出さないか?
最初の力は関係ない。ポテンシャルしか気にしない
一緒に働くか、外部委託で済ませるか
給料はとにかく話し合って決める
全生活を会社に捧げられるか

急成長しても、採用だけは焦るな

【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー 2番目の画像
(写真 リノベる代表取締役社長 山下智弘氏)

森木(サーキュレーション):
 人の集め方について、お願いします。山下さんは、どんな感じで人を集めたのでしょうか?

山下(リノベる):
 初めは私1人でした。インテリア業界ってかっこよさそうに見えるので、わりと人が集まってくるんですよ。例えば、デザイン希望の女の子に、「デザインよりもっと面白いことがあるよ」と言ってウェブ担当として入ってもらいました。

 大阪から出てきたのがこの頃なので、つてもない中で1個1個話していました。そこからはわりと順調に集まっていますが、1個大きな失敗をしているのがあります。昨年に「ガイアの夜明け」という番組で取り上げていただいて、瞬間風速で2000%流入になったんですよ。

 予想はしていたので、10人ぐらい即戦力として集めたんです。でもそれが大失敗で、元々の社員を連れてほとんど辞めた者もいました。お客さんに迷惑かけてしまいました。

森木(サーキュレーション):
 なるほどね。メディアに載ってユーザーが集まって、そのタイミングで人を採ろうとして失敗した。ベンチャー企業ではよく聞きますが、どうすればいいんでしょうか。

田口(人材コンサルタント):
 初期も成長期もずっとそうですけど、採用は文化を守ったり、組織を固めたりするためにも絶対ミスっちゃいけないところだと思います。サイバーも、年間300人採って年間300人辞めるという時期が2年間ぐらいあったんですよ。2005年前後ですかね。中途採用担当は死ぬほど働いているのに同じように辞めるという、入社手続きと退職手続きをずっとやっているような時期がありました。

 その時期に会社として、新卒採用に基本シフトする決断をしました。それ以降は、代理店事業の営業を「年間70人ぐらい」の中途採用目標があっても、採用基準は落とさずに結局10人ぐらいしか採りませんでした。だけどその10人は、いまだに残って活躍しています。

 大量に採るとマネジメントコストが増えるだけだし、労働力が欲しいからって精査しないで採ってしまうと、結局マネジメントコストとかリスクが出て来て、そこに時間もお金を取られて、結局ゼロからやり直しになります。だから、必ず採用はお金も時間もかけないといけない。こだわってこだわって、迷ったら全部落とすルールでやっていました。

 少しでも迷いがあったら採らない。どうしても人が必要だったら、部分的な有期雇用や業務委託で対応する。どんな会社にも、必ず伸び盛りのフェイズが何回かくると思うんですけど、それで誰でもいれちゃうというのは良くない。採ったり辞めさせたりという時間を割くことが一番勿体ないので、ここは本当に慎重にしてください。

採用なんてナンパみたいなもの

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。山下さんのところは60名と、参加いただいている企業で一番多いんですけど、こだわって採ったという自信はありますか?

山下(リノベる):
 リノベる。バリューというものを設定しました。行動指針は元々あったんですけど、機能していなかったんですよ。それを浸透させるために、僕自身が作りました。入社半年のスタッフを全部集めて、テレビ会議で全国の支店をつないで研修を行うんですね。

 そこでみんなが賞金をかけて、この1週間にあったことを自慢するんです。それをリノベる。バリューに結び付けて、1番拍手を集めた人がもらえます。これをやったおかげで、社内はかなり変わりました。

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。前田さんの会社は10名で、その中の半分が役員です。アドバイザーの方も非常に多く感じますが、どのような基準で採用されているのでしょうか

前田(Distty):
 役員の5名は最初の人員なので、とても重要です。とにかく、気心が知れている仲ですね。あとは優秀な方が必要ですので、元いた野村総研の同僚とか、あるいは後輩を無理やり説得して引っ張っているんですね。

 ただ、我々の事業って、ものづくり向けなので、信用力が必要ですよ。そういった意味で、外部の専門家などが、そういった個人の非常に信用力の高い方をアドバイザーとして迎え入れています。私の場合は、100%飛び込みでアドバイザーにアプローチしています。

森木(サーキュレーション):
 最初は、一歩間違えばナンパみたいになりますよね。レストランで声をかけた?

前田(Distty):
 レストランでかけました。「すみません、こういうふうなことをやっていますが、一緒にやりませんか」と。最近は、いきなり話しかけることもあります。

田口(人材コンサルタント):
 僕も採用は基本的に同じです。たとえ街中であっても、良いという人を見つけたら「今何やっているんですか?」と聞いて、名刺を交換して、「ちょっと担当者から連絡させてもいいでしょうか?」って。まず声をかけてみるって、結構大事なことですね。

 採用のうまい人事担当者は、結構学生の時にバイトで飲食店などのキャッチやスカウトに似たことをやっていた人も多いんです。まず声をかけてから始まるんですね。誘われる側もなかなかそういう機会がないので、それはそれで嬉しいものですよ。

苦しい時でも逃げ出さないか?

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。溝口さんはmixiの朝倉さん、元みずほの常務の方など、なかなか考えられないメンバーの皆さんがバックアップされているようですが、どうやって巻き込んでいますか?また、失敗談などありますか?

溝口(FiNC):
 僕はまず、会社は3人で始めたんですよね。僕+兵隊みたいな。順調に成長はしていたんですが、ある時、将来到達したい目標地点から逆算すると、この成長速度だと絶対到達できないなと気づいて。その時に、チームを集めなきゃと思ったんですね。

 チーム集めで絶対外せないのが、「苦しいときに一緒に乗り越えてくれる人」というところですね。私は、創業半年で12、3人ぐらいになったんですけど、そこから3か月でまた3人ぐらいになったことがありました。一気に辞めちゃった。その頃は、いろいろなことが外れてしまって、それがいわゆる沈みゆく船のように見えたのでしょう。

 そういう経験から、一番苦しいときでも乗り越えてくれる人しか入れないと決めました。優秀な人を集めるためには、ビッグアイデアというか、大きな目標とかアイデアとかが大事だと思うんです。さらに言えば、それをやり遂げそうな雰囲気みたいなものはすごく重要だと思っています。

 取締役やアドバイザーについては、自分が成し遂げたい世界とか、到達したい場所に行ったことがある人を集めようとしています。なぜかというと、私のようにある程度年齢が若いと、いろんな人がアドバイスしてくるんですよ。それで、そのどれも正しく聞こえる。そうなると、非常に判断に迷います。

 そういう時に、自分が行きたい景色を見てきたことがある人だと心強い。ですから、我々だと株主も社外取締役もアドバイザーも、みんな上場経験がある人か、そういう会社を作って上場企業に持って行ったという経験のある人しか入れていないですね。

最初の力は関係ない。ポテンシャルしか気にしない

【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー 3番目の画像

(写真 事業開発コンサルタント 三木寛文氏)

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。では、採用のハードルは相当高く聞こえる気もしますね。

溝口(FiNC):
 まずは、かなり厳しい面接ですね、若い子たちに関しては。よく質問するのは、苦しかったこととそれをどう乗り越えたか。1番大変なこと、自分の努力ではどうしようもない経験がいい。自分一人が頑張れば何とかなるような苦しさだとたいしたことがないですね。自分だけではどうしようもない苦しみを味わっていて、それを乗り越えてきた人はやっぱり強いなと思います。

 FiNCは1/4が東大出身なんですよ。社内は僕だけ高卒なんですが(笑)。いい大学を出ている子はすごく努力しているし、そこそこ自らを律する力があります。そういう意味で、自分はやれるという自負心がすごく高いです。そうやって努力を継続できるとか、挫折しないとか、一生懸命頑張れるという子をなるべく採ろうとしています。

 最初の時点なら、能力差ってあんまり見ないんですね。22、3だったらそんなに差はないですよ。ですけど、30歳とかになってくれば、世の中に大きなインパクトを与えている人間もいれば、いつまでたっても上司にこき使われているだけの人間もいる。7、8年でそれだけの差が出る。なのでポテンシャルを見ます。そのポテンシャルの見方って言うのは、やっぱり頑張れるか、努力できるか、人が休んでいる時に戦えるのか、ですね。

田口(人材コンサルタント):
 引きつけの部分と、採る時の判断についてのお話でしたね。社員がジョインする理由はだいたい3つあって、1つはやっぱりその会社の可能性です。未来を感じるかどうか、とも言えます。2つ目は、会社でも経営者でも事業でもいいのですが、共感できるかどうか。3つ目は、その人の居場所があるかですね。

 これらがメンバーを引きつけるための3つのポイントだと思います。もう1つの判断についてですけど、やっぱりベンチャーには苦しいことしかないので、それを乗り越えられるだけのタフネスが必要ですね。中途の方は実績を見ればどれくらいのレベルでやったのかは分かるけど、若い子の場合は、学生時代のタフネスさはかなり見ないといけない。

 これは体験した経験があるかないかですね。何かを乗り越えた経験がない人は、ほぼベンチャーでは折れちゃいます。わかりやすい例は、怒られたことがない子。そういう子はまず無理ですね。

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。

三木(事業開発コンサルタント):
 これについては、私もGREEで結構見てきました。初期に入る人は、コミットメントがすごく強いです。そのサービスをよくしたいとか、自分が作り上げるとか。ちょっと癖のあるやつも多いんですけど、その分すごくいいチームになる。そういう人が自分の仲間を採ろうと思うので、必然的に本気で面接しようして厳しい面接になりがちですよね。

 ただ、それは正しい姿だと思っています。厳しい面接がいいかどうかは別として、「お前の将来のビジョンは何だ?」というのは、飲み会にまで連れ出して突き詰めたくなるようなチームがベストだと思います。GREEも初期にはそこまでしていたので。

一緒に働くか、外部委託で済ませるか

【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー 4番目の画像
(写真 人材コンサルタント 田口弦矢氏)

森木(サーキュレーション):
 会場の皆さんから何か聞きたいことがあれば受け付けますが、いかがですか?

質問者A:
 先ほど、人事の採用の点で、人事採用にはこだわりを持つべきだ、迷ったら採らないというのが共通して出てきました。その時のこだわりというのはある程度客観化するべきなのか、あるいは魂のふれあいみたいなことで判断をするべきなのか、お聞きしたいです。

田口(人材コンサルタント):
 会社の方針はまずあると思いますが、実は採用するときに見るところは2つしかなくて、1つは能力、もう1つはマインドです。能力をチェックするのはそんなに難しくありません。なので、能力がある場合は、その人を中に入れるか外で雇うかという話だと思うんですよね。中に入れる場合はリスクを背負うことになります。

 このラインをどこにするかは、結局マインドでチェックするしかないんです。中に入って来ても組織が壊れないか、一時的だったらいいって判断するんだったら入れていいとか。そういう風に決定するんです。そのマインドが、厳しく必ず行うこと。例えば、必ず社内で何か起こしてしまう人なら、外に置いておいた方がいい。ただ、雇わなくていいとは限りません。能力的には必要なので、中に入れない業務委託を選ぶ。この判断が大事だと思います。

前田(Distty):
 確実にコミットメントですね。要素としてはコミットメントと能力がありますが、コミットメントが100で能力が50の人材と、能力は200だけどコミットメントが50の人材だったら、絶対にコミットメントを重視したほうがいいです。

 組織にとって一番害のある人材というのは、能力が高くてコミットメントが低い人なんですよ。つまりあまりやらない、不平不満を漏らしまくる人です。ですけど能力高いから、実はすごい影響力があるんですよ。能力なくてコミットメントが低い人なら採らないですし、いてもそんなに影響力はないから問題ないんですよね。

 そういう意味で、能力が高くてコミットメントが低い人は組織を崩壊させる可能性がある。歴史をたどってみたら、組織が滅びるケースの多くは、ナンバーツーやそれに近い人の謀反なんですよ。そういう意味では、コミットメントありきでないと痛い目を見ますね。

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。今のご質問、他の方はいかがですか?

山下(リノベる):
 僕もそうだと思っています。あとは本気になれるかどうかですね。でもそれは、面接ではなかなか分からない。僕がいつも聞くのは、自分のことが好きかどうかです。「自分よりも他人のために」と言う人というのは、嘘だと思っています。なぜかと言うと、集合写真を渡されたらみんな自分のことを最初に探すじゃないですか。人間ってそんなものです。自分のことが好きだったら、多分そこで本気でやらないと自分に対する裏切りになる。

 本気かどうか慎重に判断したい子は、一旦帰すことが多いですね。「もう一回来て」って言って、来てくれた子は長く続いている気がします。

給料はとにかく話し合って決める

質問者B:
 採用の話ですが、私も会社を経営しています。前職が例えば年収1000万円の人がいたら、だいたい給料を15%下げると生活が脅かされるので、そんなに下げないでくれと言われるんです。しかし、予算としては出せないという時もあると思います。皆さんは給料の決め方をどうしていますか。

森木(サーキュレーション):
 さっきも控室で過激な話が飛び交っていましたからね(笑)。

溝口(FiNC):
 1000万稼ぐ年齢ぐらいの人だったら、前提としてそこそこ貯蓄があると思うので、半額ぐらいにするケースもありますね。けれどそれだと動きませんから、いわゆるストックオプションとか、株式を渡すこともあります。それでもダメなときは、例えば基本給は他に合わせて、サインオンボーナスで200万を乗せる形ですね。

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。前田さん、いかがですか?1000万級含めた、能力の高い方の採用をお願いします。

前田(Distty):
 なかなか難しいんですが、私の場合はストックオプションをかなり使っていますね。たかだか2年ですし、自分の給料をかなり削っています。遊ぶお金も全部削っているんですね。出来る限り社員のモチベーションを上げたいんですね。

森木(サーキュレーション):
 山下さんのところは人数も増えてきていますが、どうですか。

山下(リノベる):
 生活を脅かすところまで下げたことはないと思うんですけれども、下がることはやっぱり多いです。でも、本気だったらなんとかするじゃないですか。なので、結局は話し合いますね。「これだけしか出せないんだけどどうする?」と話し合って決めることが多いです。

全生活を会社に捧げられるか

【全文】「苦しくても逃げないか?」―ベンチャー関係者必見! 起業家のリアルな採用ポリシー 5番目の画像

質問者C:
 従業員が増えていくと、ベンチャーっぽさと会社っぽさが相反してきますよね。具体的な話をすると、会社同士がいて社会保険をどうするか、残業代をどうするかとか。これらのトラブルをどういうふうに解決されたのかお聞きしたいです。

森木(サーキュレーション):
 社内に専門部署や対応部署をどのように設けたのかと、あとは失敗事例とかも。

質問者C:
 従業員特有の残業とか、労基署に行かれたりとか。

森木(サーキュレーション):
 労基署はなかなか言えないですよね。これは結構、会場からえぐりに来てますよ。

溝口(FiNC):
 経営者には治安維持力が絶対に必要ですよね。いわゆる自分たちの考えやビジョン、バリューをいかに浸透させるか。一方で、初めのうちはそれを浸透させやすい人しか入れない方が良いとも言えます。自分の治安維持力が高いのなら、新卒採用じゃなくてもいいと思うんですよね。新卒なら、バリューを浸透させるのはすごく簡単なので。自分の力に見合った採用をすればいい。

森木(サーキュレーション):
 ありがとうございます。

三木(事業開発コンサルタント):
 僕はスタートアップの従業員側でしたので、そういう視点からお話し出来ればと思います。GREEに入った時は、結婚もして子どももいましたが、週3ぐらいは近くのマンガ喫茶に泊まっていました。睡眠時間3、4時間ぐらいで、そこからフィットネスに行ってお風呂に入って、それで出社する。ただ、やっぱり僕はそれがやりたかったんですよね。この会社で睡眠時間を削ってでも仕事をすれば形に出来ると思ったから、そこまでやりたかった。

 そういうふうにとことん働きたいと思えるスタートアップがあったら、ぜひ入って欲しいと思います。大体、そんな生活が2年も3年も続くわけないですよ。そこまでやれる会社は、どんどん大きくなっていきますから。

 そうしているうちに本当に労務的な問題があって、全員12時に帰らせないといけなかったのが10時になり、8時になり、となっていくわけです。ここが頑張り時だと思って、そこで成果を上げていくのは、従業員であろうがなかろうがやるべきだと僕は思いますね。

田口(人材コンサルタント):
 のらりくらりやるのが大事ですね。もちろん相手には「前向きに変えていく」って言うんですけど、すぐには出来ないから、労基署と真剣にひとつずつ対話して少しずつ変えることで乗り越えていくしかない。ぶっちゃけ、「働きたいから働いてます」と言ってくれる社員をどれだけ集められるかだと思うんですよね。

 僕も、2時間睡眠で働いていた時期が1年ぐらいありました。それもやっぱり、やりたいことをやらせてもらえているかどうか。これだけだと思うんですよね。本人が楽しくやれていたら、駆け込まないと思うんですよね。駆け込む人はやはり明らかに会社に対して不満があって、正しい環境を用意されていない。そこはまさに治安維持ですよね。

 社員の一人一人の気持ちはとても大切なので、会社が大きくなればなるほど治安維持は難しいので、現場に任せて無難な人を採るしかなくなってしまうんです。立ち上げなどの最初のうちはたいてい大丈夫です。家族みたいな感じでやればいいので、最初は理解してくれる共感する仲間をいっぱい集めて乗り切るだけです。

 そのうちにどうしてもきちんとしなきゃいけないタイミングが来るので、その時に一気に準備するしかないですね。ただ、そのためにも裏側で理想の形へのロードマップを引いておくのが大事です。それさえできていればだいたい乗り越えられますね。

森木(サーキュレーション):
 専門家の方がいらっしゃってよかったです。勢いだけでなく、ある程度は計画的にやることが大事ですね。(終了)

hatenaはてブ


この記事の関連キーワード