組織の中で部下は、時に頭を悩ませる存在であり、時に良きパートナーとなります。部下がどのように育つかは、上司の力量が問われるところです。でも、仕事が出来る人が、必ずしも部下を育てるのが上手いとは限りません。むしろ、仕事が出来るがゆえに部下の成長を止めてしまっている可能性もあります。仕事が出来る人ほど、上手く部下に仕事を任せられず、部下を成長させられない上に一人で仕事を抱え込んでしまうようです。
あなたはきちんと部下に仕事を任せられているでしょうか?
なぜ、部下に仕事を任せられないのか
一番の理由として挙げられるのは、 「他人から認められたい」という思い、”承認欲求”です。仕事が出来る人の中には、この承認欲求をモチベーションにしている人も多いです。承認欲求自体は、少なからず誰にでもあるものですし、一社員として仕事をする上では良い方向に働くこともたくさんあります。しかし、チームをまとめたり、部下の教育に関わる立場であれば、少し注意が必要です。チームの中でどんなに多くの仕事をこなせても、それはただの自己満足でしかありません。
どんなに仕事が出来る人でも、チームの仕事全てをこなすことは絶対に出来ません。「自分がいないと仕事が回らない」と考えている人は、”もしかしたら自分が部下に仕事を任せられていないかも”と早急に気付くべきでしょう。
また、 無意識に部下を信用していないことも理由として挙げられます。仕事が出来る人程、「自分でやった方が早いし、確実」と考え、スピードやクオリティなど、自分の価値観を押し付けてしまいがちです。「自分でやった方が早いし、確実」と考えてしまう人は、部下の仕事を取り上げてしまっているかもしれないので注意が必要です。
上司は一度”フィードバッカー”に徹してみるべき
自分で仕事を抱え込みがちな人は、一度思い切って部下を信用してみてはいかがでしょうか?ただ、この時注意したいのは”放置すること”と”任せること”は違うということです。自分自身はあくまでも”フィードバッカー”に徹しましょう。部下が仕事をしている様子を見ながら、足りない部分や気付いたことをその時々でフィードバックしていくという訳です。
小さい頃、初めて自転車の乗り方を教わった時を思い出してみて下さい。いくら乗り方を口で説明されても、実際に乗ってみないといつまで経っても、自転車に乗れるようにはなりませんよね。きっと、自転車に乗りながら親御さんに「ここが違う」「そこが違う」と言ってもらい、自転車の乗り方を覚えていったのではないでしょうか?
これはビジネスの場でも同じことです。いくら部下に口で説明しても、一度身をもって経験してみないと自分のものに出来ません。部下の仕事ぶりを見てフィードバックすることで、部下は自分に何が足りないのかがはっきりし、自発的に動けるようになります。
上司からの適切な教育があるからこそ、部下は成長することが出来ます。「この人の下でなら自分は成長できる」と思ってもらえるような上司になりたいものですね。また、部下に仕事を任せられるということは、自分自身が成長することにも繋がります。フィードバッカーという立場に立ち、仕事を客観的に見ることで新しい気付きがあるかもしれません。部下と自分自身の成長を望むなら、”任せる勇気”が必要ですね。
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