人は、一日の中で多くの情報をもとに決断をして生きています。日常生活でも、どこでランチを食べるかを周囲のお店のなかから決断したり、自分のコンディションに合わせてメニューを選択したり。
このような些細な決断にも、目に見える様々な情報をベースにしているのです。現代では、そういった些細な選択に限らず、メディアやインターネットを始め、多くの情報から決断を迫られています。
情報社会においては、いかに正しい情報をもとに決断ができるかが非常に重要です。しかし、本当に正しい情報はなにか、何を信じればいいのか、いかに意識していても誤ってしまうのが人間。どうすれば正しい情報を選び、決断できるのでしょうか。そんな悩みに役立つ本が今回ご紹介する『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』です。
周りに同調していない?選択と決断
著者によると、人の意思決定は周りの人間の行動によって大きく影響を受けてしまうそう。例えばネットショップで買い物をする際、商品の本質を見ずに高評価なものを手放しで評価し、購入する傾向にあるのです。
同じような人と集団を作ってしまう心理
このような実験でもわかるように、人は自分と似た人にひかれる傾向があるそうです。これは学生のコミュニティだけに限らず、企業においても同じことが言えます。企業の場合、上司は似たような部下を好意的に評価する傾向があり、採用活動にも影響がでるのだとか。
商品レビューからコミュニティの形成まで、客観的に考えているつもりでも常に周りの影響をうけて選択しているというのは興味深いですね。
情報の海から正しい情報を見つけるために
新聞やテレビだけでなく、ネット上に溢れるニュースや個人の意見などが加わり、情報が伝わるスピードや量が増しました。その情報の海の中から正しい情報を見つけ出すにはどうしたらいいのでしょうか。
ネット上のやらせとなりすまし
今や、ネット上で誰でも情報を発信できる時代になりましたが、それを悪用したやらせやなりすましが横行しているのも事実。それらを見分けるためには情報源(ソース)の確認と、発信者の見解のどちらを述べているのかが重要です。もし、あいまいな情報であれば、自分だけで判断せずに周りの人に意見を聞く必要があると著者は述べています。
数字嫌いを克服する
調べ物の際に、数字や数字に基づいたデータ、グラフを確認するのは得意ですか? 実は、文系理系問わず、非常に多くの人が数字を見ただけで無意識に嫌悪感を抱くことが実験でわかっているそうです。
しかし、正しい情報を見つけるために数字は必要不可欠。数字嫌いを克服するためにはコツがあります。まずいきなり数字やデータを見て考えるのではなく、根拠としてその数字がなぜ使われているかという点に着目するのです。その数字が使われている文脈や背景が分かることで理解が深まるでしょう。
溢れる情報に惑わされない力を身に付けることは、情報社会において必須なスキルといっていいでしょう。情報の正しい判断を意識していても、実は周りに影響されているかもしれない。そんなことを本書は教えてくれます。本書はさまざまな研究やデータに基づいて書かれています。詳細が気になった方はぜひ手にとってみては?
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